日馬富士の 「ビール瓶暴行事件」 のわけのわからなさ
横綱日馬富士の「ビール瓶暴行事件」というのは、つくづくわけのわからないニュースである。日馬富士はただただ謝るばかりだし、被害者の貴ノ岩という相撲取りも詳しいことはあまり語らない。その師匠の貴乃花は被害届を出したまま、何を考えているのかよくわからないし、周囲の証言はそれぞれ食い違うしで、付き合いきれない。
新聞でもスポーツ面の相撲担当記者なんかは「なにしろ相撲界のことだからなあ」と妙にわかっちゃってるのだろうが、社会面担当の記者なんかは「相撲界って、一体何なんだ?」と呆れていることだろう。世間の常識があまり通用しない。
当初は日馬富士という力士の「酒癖の悪さ」が取り沙汰されていたが、時が経つにつれて、相撲協会という組織のわけのわからなさの方がそれ以上に際立ってきている。つくづく「割り切れない業界」と言うしかない。
当初のニュースでは「ビール瓶で殴った」とあり、そうかと思うと、同席していた白鵬は「殴っていない、ビール瓶は手からすべり落ちた」と言うし、「馬乗りになって 30発ぐらい殴った」という証言もあれば、「それほど殴っていない」という話もある。「両者はすぐに和解し、翌日には貴の岩も元気に巡業に参加していた」という証言があるかと思うと、親方の貴乃花は被害届を出して「徹底抗戦」なんて言っているらしい。
そもそも、普通の酔っ払い同士の喧嘩なら、馬乗りになって 30発も殴る前に周囲が止めに入る。本当に 30発も殴ったというなら、周囲がおもしろがって眺めていたとしか思われない。よくよくヤバい状態になって、初めてマジにやめさせたんだろう。てことは、日馬富士という相撲取りは、よほどぶち切れていたものと見える。
まあ、殴られたとかぶち当たったとかいう場合の怪我は、翌日よりも 2日ぐらい経ってからの方が痛みが増す場合もあるとはいえ、この場合は当初の診断をした医師までもが「そんなに休場するほどのことか?」と首を捻っているというのだから、部外者としては、もはやあまり深く考えるのも馬鹿馬鹿しくなる。
元々わかりにくい相撲協会の体質だが、さらにここにきて、貴乃花というエキセントリックな異分子が、ますますわかりにくくしているという印象だ。
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コメント
テレビのニュース番組は日馬富士の暴行事件ばっかりで食傷気味です。政治家や女優の不倫と同じでテレビ局にとってはいい商品なんでしょう。しかし国民の一人としては角界という閉ざされた世界の暴行事件なんか大した興味はないし、どうせそんなもんだろうという想いしかない。
テレビ局が一人相撲で張り切ってる。
投稿: ハマッコー | 2017年11月19日 21:23
ハマッコー さん:
おっしゃる通りなのですが、世の中には、「どうせそんなもんだろう」 という意識のおかげで、無責任におもしろがってしまうという人も確実にいるようなのですね。
まあ、浮世というのは割り切れないものです。
投稿: tak | 2017年11月19日 23:08