バスの終点 1つ手前で乗客がいなくなっても……
毎日新聞が 「<岐阜バス> 終点手前で運行打ち切り 行政指導受ける」というニュースを伝えている。私はこのニュースの前半部分を読んで、「終点の 1つ手前で乗客がいなくなった場合は、終点まで行かずにそこで運行を打ち切るように」という行政指導を受けたのかと思ったが、何と、話は逆だった。
ニュースによると、岐阜バスは、各務原市役所前から新那加駅北口へ向かう路線で、終点の一つ手前の新那加駅で乗客がいなくなったため、運転手が自主的判断で運行を打ち切ったのだそうだ。空のまま終点まで走っても、時間と燃料が無駄なだけで、さらに無駄な運行を打ち切れば CO2 排出減少にもつながるのだから、私としては「グッジョブ!」と言わせてもらいたいほどのことだ。
ところが、道路運送法では事前に届け出をすれば終点の一つ手前で乗客がいなくなった際に運行打ち切りを認められているが、岐阜バスはこの届け出をしていなかったために、問題視されてしまったのだという。
岐阜バスの総務部長は「公共交通機関としてあってはならないことで、再発防止に努める」と語ったというのだが、いやいや、「あってはならない」なんてことでは、全然ないだろう。私としては、「このフレクシブルな対応の、どこがいけないの?」と言いたいぐらいのものである。これで不利益を蒙る人が、どこにいるというのだ。
それに、「終点の 1つ手前での運行打ち切り」という措置の「事前届け出」なんて、そんなの間に合うわけがないから、非現実的すぎる法律と言わざるを得ない。お役所、杓子定規すぎるだろう。私としては妙ちくりんな道路運送法の方を早急に改正することを強く求めたいと思う。
【11月 13日 追記】
ちょっと検索してみたところ、岐阜バスというのはかなりクレームの多いバス会社らしい(参照)。元々評判の悪いバス会社への「見せしめ」みたいなものかもしれないが、それとこれとは別と考えたいよね。
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コメント
この記事私も読みましたが、事前届け出の部分、それほど不自然には感じませんでした。
これって、「これこれこういう路線では、最後終点が行き止まりだから、無乗客なら1つ手前で終わらせてもいいですよね」という申請をしておけ、ということでしょう。
つまり最後の1区間、無乗客なら行く必要がなくなる路線というのは、バス会社は事前に分かっているはず。
当然ですが、その終点を起点として始発する路線がある場合などはダメですよね。
ただtakさんの言う通り、途中折り返しをするメリットはたくさんあるので、事前申請をしてなかっただけで全国区のニュースに載せ、会社側が(記事の書き方だと記者会見でも開いたのでしょうか)そこまでガチに謝罪するようなことではないとは思いますが。
投稿: らむね | 2017年11月13日 00:17
らむね さん:
「事前届け出」 に関しては、おっしゃるようなことかなと思ってはいるのですが、敢えてイチャモンを付けました (^o^)
これは恒常的なものでしょうから、「事前」という言い方はそぐわないですね。
まさに、会社が大々的に謝罪に追い込まれるようなことではなく、単に「フレクシブルな対応」だったというだけだと思います。
投稿: tak | 2017年11月13日 10:03