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2017年11月29日

シャワー式トイレのボタンに関する考察

最近ふと気付いたのだが、近くのショッピングセンターの男子トイレの便器には、家庭用で一般的な「ビデ」というボタンがないのだった。「おしり」と「止」という 2つのボタンの他は、「水勢」という水流強弱調整のボタンがあるだけだ。

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女子トイレの方の便器には「ビデ」ボタンは付いているのだろうが、男子用なのだから必要なかろうと、コスト削減のために使い分けているのだろう。なかなか涙ぐましい企業努力である。確かに大抵の男は「ビデ」というボタンとは無縁で生きているから、なくても全然困らない。

「しかし」と、私は思ってしまったのである。世の中には LGBT と総称される中でも、トランスジェンダーという人もいる。肉体と心の性が一致せず、肉体的には女性だが心理的には男性で、公共のトイレも女性用に入ることに心理的苦痛を覚えるという人もいるというのである。

個人的には "L"(レズビアン)、"G"(ゲイ)、"B"(バイセクシャル)の友人はいるが、"T"(トランスジェンダー) の人とはお近づきになったことがない。とはいえ世の中には確実にいるのだから、気付いていないだけで私の知り合いの中にだっているかも知れない。というか、確率論的には多分いるのだろう。

そして肉体的には女性だが普段は男性として暮らしていて、女性用トイレに入るのに大きな心理的抵抗があるというトランスジェンダーの人たちにとっては、男子トイレの「ビデ」のない便器は、不親切だったりすることもあるんじゃなかろうか。

というわけで、男性用トイレにも女性用と同じものを設置する方が、ユニバーサルなコンセプトに沿うのではなかろうかと、ふと思ったのである。これはわずかばかりのコスト・カットに優先してもいい課題だろう。

そこまで考えたのだが、その次の瞬間、私の脳裏にこの問題の最も簡便な解決策がひらめいた。「あれ、これってもしかして、座る位置をちょっとずらせばいいだけのことなんじゃなかろうか」

なんだ、そうか。深く考えて損した。とはいえ、やはり根本的にはどちらにも同じ便器を設置する方がユニバーサルではあると思うけどね。

 

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