「ロス」 とか 「ヘリ」 とかいう省略形
昨日から新聞に「ヘリ墜落」の見出しが踊っている。奇しくもあの日航ジャンボ機墜落と同じ、群馬県上野村である。
ところで、この「ヘリ」という言い方だが、元々は新聞紙上の字数制限のためにしかたなく生み出された省略形だと思っている。日常会話でも「ヘリ」なんて言う人がいるが、私はちょっと気恥ずかしくてできない。そして「ロサンジェルス」を「ロス」と省略するのは、その 10倍ぐらい気恥ずかしい。言うまでもなく、「ヘリ」も「ロス」も、(多分)日本でしか通用しない言葉である。
「ロス」というのはその昔、力道山が言い始めて広まったんじゃあるまいかと思っている。その頃ようやく普及したテレビで、「ロスのタイトルマッチで、ブラッシーに勝った」 なんて、意気揚々と語るのを見たような気がする。
それ以来、なんとなく、あまり趣味のよろしくない成金のオジサンとかオバサンが、「ロスに行ったら……」なんて言うのが流行ったような印象がある。こう言っちゃナンだが、あの細木数子センセーあたりにとてもよく似合う言い方だ。さらに「ロスでヘリをチャーターしてよぉ」なんてことになったら、もう目も当てられない。
まあ、ざっと言えば、「ヘリ」の発生元は新聞、「ロス」は力道山ということだと思っている。確証はまったくないけど。
で、新聞というのは「ヘリ」だけじゃなく、ずいぶん乱暴な省略形を使うことが多い。とくに多いのは外国の首脳の名前だ。ブッシュ元大統領は 「ブ大統領」 、オバマ前大統領は「オ大統領」とされてしまっていた。「ブッシュ氏」とか「オバマ氏」とか書けばいいと思うのだが、日本は肩書きが好きだから、見出しでも欠かせないのだね。
で、トランプはまだ「ト大統領」と略されていないような気がしてググってみたところ、朝日新聞の見出しにその表記が見つかった。ところがどうも様子がおかしい。日付も「昭和 25年 3月 1日」なんてことになっているし。本文を読んでみたら、これはトランプではなく、「トルーマン大統領」のことだった。
ということで、お粗末。
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コメント
Losが冠詞の類だろうということは調べなくても想像がつきますが、ヘリは何だろう……これから調べます。英語の仕事をしているのに(笑)
……調べた。略すなら「ヘリコ」の方が適切か。
投稿: 山辺響 | 2017年11月10日 11:09
昔、NHKのアナウンサー(磯村さんだったか)が「ヘリ子」と言ってたので、ヘリ子さんて誰?と一瞬思いましたがヘリコプターのことでした。「ヘリコ」まで言ったのならそのあとに「プター」を付けても一秒もかからないのにへんな省略するなあとちょっぴり呆れました。多分業界用語なんでしょうね。
「ロス」と省略すると、あそこは俺の庭みたいなもんだよと言ってるみたいでいい印象はないですね。あのKM氏のロス疑惑の連日の報道以来さらに「ロス」が定着してしまったような気がします。
省略したかったらエルエイですね。
フレッドブラッシーの名前は懐かしいですね。
たしか、嚙み付き男だったか。
投稿: ハマッコー | 2017年11月10日 12:48
山辺響 さん:
ちょっと調べたら、米国では、"copter" と省略するとありますね。英語感覚でも、"helico" + "pter" は違和感あるようです (^o^)
投稿: tak | 2017年11月10日 21:32
ハマッコー さん:
「ヘリ子」 に聞こえちゃいますね (^o^)
そうか、「ロス疑惑」ってのが大きかったですね。「欠損疑惑」 か、なんて突っ込み入れてましたが。
フレッド・ブラッシーは確か、奥さんが日系人で、かなりの親日家だったようです。ただ、日本人からは悪魔の如く嫌われてましたが。
投稿: tak | 2017年11月10日 21:35