「確実に儲かるなら、なぜ自分でやらない?」 と聞けばいい
ジャパンライフという会社に「異例の業務停止命令」が出されたと、NHK が報じていた(参照)。なんでも、この会社の取り扱う健康器具のオーナーになると、そのレンタル・ビジネスによって、年に 6% の配当が付くという話で一人暮らしの年寄りから多額の金を集めていたという。この会社、結構名の知られた会社で、サイトに行ってみると、なんとまあ、爽やかで健康的なイメージなのであった。
ニュースで紹介された 60代の女性は、7年前、勧誘の電話を受け同社の集会に参加、「3000万円を支払ってレンタル用の磁気治療器のオーナーになれば、年 6%の高い配当がつくため、20年で 4000万円が支払われる」と説明されたという。20年で 4000万円ということは、1年で 200万、月に 16万ちょっとということだ。
しかしこの会社は多額の債務超過に陥っているという。元金を取り戻すだけで 15年かかる計算だが、こんな会社が 15年ももつという保証は全然ない。さらに言えば、結構な年寄りが 15年とか 20年以上生きる保証もない。保証されない条件が 2つも重なっているのに、よくまあ、3000万円もの金をポンと出す気になるものである。
案の定、この女性が不安になって解約を申し入れたところ、返金には応じられないという返事だったという。多分、返せる金なんてないんだろう。
4年ほど前に「楽して金儲けしたい心情」という記事で、詐欺商法に騙されないためには、「世の中に、おいしい話なんて、そうそう転がっているわけがない」という常識を尊重するしかないというようなことを書いた。欲に目がくらんでしまうと、自分に限っては常識はずれのおいしい話に遭遇することがあっても、決して不思議じゃないと思い込んでしまうために、コロッと騙されてしまうのだ。
この記事のコメント欄に、ハマッコーさんが最強の防御策を書いてくれた。こんなようなことである。
30年前に 「いま、金を買えば確実に儲かりますよ」という電話がかかってきた。
「そんなに儲かるの?」
「はい、確実に儲かります」
「そんなに儲かる話を他人に教えたらダメでしょう。電話なんかしてないで金は自分で買わなくちゃ」
まさに、これこそ最強の防御策である。妙なセールスマンにおいしい儲け話を持ちかけられたら、「そんなに確実に儲かるなら、どうして自分でやらないの?」と聞けばいい。自分でやらないのは、「そんな美味しすぎる話は、アブナイに決まってる」と知っているからにほかならない。
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コメント
「磁気治療器」というだけで危ない希ガス。これ、'60年代からあった希ガス。L.F. セリーヌの「なしくずしの死」は、主人公の貧乏でいたいけな少年が「畑に磁気を通して作物の収穫量を飛躍的に増やすことができる装置(笑)」を発明したインチキ科学者の自殺を目にして半狂乱になる結末だ。
何が言いたいかというと、磁気なんちゃらは眉唾ものだということな希ガス。
投稿: ゲスマリオ | 2017年12月15日 22:52
昔の話を紹介してくださってありがとうございます。
今回テレビで紹介されたおばあちゃんは確か「相手の人はとてもやさしく話のうまいひとだった」と言ってましたね。一人暮らしのおばあちゃんは寂しいのでやさしくされると「いい人だなあ」って思いころっとお金を出してしまうんですね。
もう一つの話、ある信用金庫の人が集金に行ったら正にべ〇ギーダイヤモンドなる会社の営業マンがおばあちゃんに(クズ)ダイヤモンドを売るためにトーク中だったそうです。
おばあちゃんが躊躇しているので
信金の人が「おばあちゃん、別に今日決めなくてもいいんだろ?娘さんと相談してからでいいんだろ?」
と言ったら、「そやそや、今日でなくてもええねん」
と乗ってきたそうですが、とうとう押し切られて契約に至ったそうです。
信金の人は「それは詐欺ですから、お金を払ってはいけない」と言いたかったが営業妨害になるのでそれも言えず悔しい思いをしたそうです。
のちに、クズダイヤモンド一粒が送られてきたそうです。
なぜ、このおばあちゃんは見知らぬ人を家に上げて一時的に信用してしまったか。
それは、家に上がった営業マンが頼みもしないのに仏壇に手を合わせたことです。年寄りはこういうのに弱いというのを知った上でのテクニックですね。
●儲かる話は向こうから絶対に来ない
●仏壇に手を合わせたら100%サギ
●電話で相手が息子を名乗ったらサギ(警察の標語)
●うっかり上げてしまい、相手が世間話を始めたら、「今日の用件は何ですか」と聞いて相手の話をぶった斬る。
だいたいこんなところで被害は何とか防げるのではないかと。
銀行もいろいろ対策を取っているようですね。年寄りが高額を降ろそうとしたら要注意とか、ATMで一回に振り込める金額に制限をかけるとかですね。
いつになったら悲惨な被害がなくなるのか。
投稿: ハマッコー | 2017年12月16日 02:31
私も悪質な訪問営業を食らったことがあります。
多分不動産ですが、誰かの役に立つかもしれないので手口書きます。
奴「○○リサーチのものです」調査会社・公益法人のような名前を装う。
奴「2週間前にアンケート用紙を送らせてもらいましたが見ていただけましたか」あったとしてもそんなDMは丸っと無視しただろうこちらの罪悪感につけこむ。
玄関を開けてしまったのがこちらの運の尽きでした。
奴「今お住いのアパートがなんちゃらかんちゃら・・・」
この時点では『ヤバイ奴』だと気づいていない私。
「あ、じゃあパンフとか見せてもらえますか?」
奴「書いてご説明します」
と言っておもむろにレポート用紙に書き始める奴。
(ええ!?手書き!?)
これは証拠を残さないようにしてる?ヤバイ奴?と疑い始める私。ここですでに10分経過。
「ちょっと名刺もらえますか」(警戒モード)
奴「らむねさん、私のこと警戒してますよね。まずは話を聞いてください!」とかなんとか、絶対に出さない。
んで、押し問答5分。帰ってくれ、うちの玄関から出てくれ、といってもダメ。でも『あ、これで住居不法侵入が成立した』と判断し、奴の目の前で携帯で110番。
「押し売りっぽいのが帰ってくれません。うちから出てくれと言っても出ません。お巡りさん来てください!ここの住所は・・・」
逃げるように消えていきました。
これが独り暮らしを始めて初の押し売り体験でした。後で調べたら奴が名乗った組織も存在せず、さらなる恐怖が。まったく証拠を残さないようにするんですね。
以後、ドアチェーンをつけてドアを開けるようにし、その後2回くらい、同じ手口の奴を110番かけた風を装って撃退しました。
しかしあの恐怖・プレッシャー・ストレス。気の弱い人ではイチコロにやられてしまうのでは?と思いました。まあ私もビビりですが。
上手いこと騙される手口とは違いますが、ヤバイ奴だと気づいて帰れと言っても帰らないときは110番がお勧めです。
叩けばホコリ、どころか汚物まみれのような奴らでしょうからすぐに逃げます。
投稿: らむね | 2017年12月16日 06:08
事務系の会社員やってた頃、毎年7月後半から9月ぐらいまでの間、「マンションに投資してオーナーとなり、老後にウハウハしませんか?」と言う勧誘電話がポツポツかかってきてました。
一度上司に相談の上、40分ほど「押し問答」を経験しました。
結果は、皆さん仰る通りで「お前がやれ」の通告で、相手が電話を切ると言う状態でした。
私「儲かるし老後の生活が豊かになるなら、あなたがやったら良いじゃないの?」
相手「会社の規定で、私たちはできない。お客様におススメしなければならない。」
私「ならすぐにでも会社お辞めになって、申し込まれたら?」
と吐き捨てる様に伝えたところ、ガチャ切りでした。
夏場は、インチキ業者の新入社員が勧誘デビューする時期みたいですね。
投稿: 乙痴庵 | 2017年12月16日 10:25
私には知らない人を家に上げることが理解できないです。
仕事場も自宅も両方とも、インターホン上に「セールス、勧誘、ポスティング、一切お断わり」のメッセージを掲示してありますので、ほとんど訪問勧誘などはなくなりました。
電話の場合は「セールスや勧誘ですか?」と聞いてから、「一切興味ありませんので二度と電話してこないで。」と対応していましたが、常時留守番電話にしてから、不快な思いをしなくてすむようになりました。やれやれ...
投稿: さくら | 2017年12月16日 17:05
ゲスマリオ さん:
確かに、磁気がそんなに聞くんなら、磁石を体中ベタベタ貼ってりゃいいだけですもんね。ホームセンターに行くと、スチール棚にメモ用紙を貼るためのちっちゃな丸い磁石が、一袋 200円ぐらいで安く売られてます。
それを買わずに、やたら高い磁石を買うってのは、ちょっと気が知れません。
投稿: tak | 2017年12月16日 22:07
ハマッコー さん:
信金の集金係の目の前で詐欺商売するってのも、なかなか言い度胸してますね。引っ込みが付かなかったんでしょうけど、おばあちゃん、よっぽど信用しちゃってたんですね。
いずれにしても、ボロい話が来たら、それは確実に詐欺ってことですね。
投稿: tak | 2017年12月16日 22:10
らむね さん:
ウチにも「帰ってくれ」 と言っても 「いや、そう簡単に帰るわけにいきません」 なんてほざく奴が来たことがあります。
私の場合は、「じゃあ、帰らなくてもいいから、いつまでもそこにいな。ただ、ちょっとでも変なことをしたら、あばら骨の 1本や 2本じゃ済まないからな。何なら、夜までそこで泣いててもいいぞ」 と脅かして放置しといたら、すごすご帰りました。
私の場合は力尽く (行使寸前) で済みましたが、女性の場合は、目の前で警察に電話するのが一番ですね。
投稿: tak | 2017年12月16日 22:21
乙痴庵 さん:
>「会社の規定で、私たちはできない。お客様におススメしなければならない。」
実際は会社の規定云々より、「こんなアブない話に、自分で借金してまで金をつぎ込むなんて馬鹿なことはできません」 ってことでしょうね (^o^)
>夏場は、インチキ業者の新入社員が勧誘デビューする時期みたいですね。
なるほど。まともな会社に就職できなくて、 5月過ぎに当人もほとんど騙されるように入社して、ちょこっと研修を受けて、勧誘デビューするのが夏場になるんでしょうね。
投稿: tak | 2017年12月16日 22:29
さくら さん:
我が家も最近は、固定電話は常時留守電です。まともな電話なら、ケータイにかかってきますから。
投稿: tak | 2017年12月16日 22:31
takさん「確かに、磁気がそんなに聞くんなら、磁石を体中ベタベタ貼ってりゃいいだけですもんね。ホームセンターに行くと、スチール棚にメモ用紙を貼るためのちっちゃな丸い磁石が、一袋 200円ぐらいで安く売られてます。」
あらん、いいこと聞いちゃった。試してみよっと!そんで、効果あったらそれらしく体裁を整えて「マリヲ式血行改善パッチ・永久磁石を使用していますので効果は半永久的です」とかって謳い文句で売り出しちゃおうかな。どお?(馬鹿野郎)
投稿: ゲスマリ子 | 2017年12月16日 22:33
ゲスマリ子 さん:
試してみて下さい (^o^)
投稿: tak | 2017年12月17日 19:14