"CD-R" ってものを使わなくなって久しい
先日、友人たちと「近頃は、『フロッピー・ディスクを見たことない』って若い奴がかなり多いんだよね」という話で盛り上がった。エレクトーンの講師をしている知り合いの女性は、「昔はエレクトーンにフロッピー・ディスクは付きものでしたけど、今は 30歳より若い子は、『フロッピー? 何それ?』という世代ですよ」と言う。
友人の 1人は、「今どきはワープロや表計算の文書にちょっと画像を挿入しただけで、あっという間にファイルサイズが 1.44MB の容量からはみ出してしまうから、使い物にならないよ」と言う。「そうだよね。いくら何でも容量が小さすぎるよね」と、私も同意した。
しかし今日になって、フロッピー・ディスクが姿を消したのは、決して容量だけの問題じゃないと気付いた。
というのは、年末ギリギリになる前にデスク周りの整理をしておこうと思い立って、棚の奥び "CD-R" の容器に気付いたのである。20枚ぐらい、まったく手を触れないまま 3年以上眠らせていた。
思い起こせばちょっと前までは、CD-R をよく使っていたものである。データを渡すのに、「私、インターネットのメールできません」なんて言うオバサンがまだフツーにいた時代だった。「じゃ、フロッピーに保存して持って行こうか?」と言うと、「私のパソコン、新しいから、フロッピー入れる口がないんです」なんてことを言う。
「わかったよ。じゃあ、CD−R に焼いて持ってってあげるから」なんてことになり、650MB ぐらいの容量のディスクの、ほんの 5mm 足らずの幅を使って、せいぜい 85KB ぐらいのファイルを保存し、物理的に運んで手渡ししていたものだ。
CD-R というメディアは裏のキラキラした面を見ると、データを焼いた部分だけが白っぽくなっていて、「こんなに大きなディスクの、これっぽっちしか使ってないのか。なんてコスト効率が悪いんだ」なんて呟きながら運んでいた。
ところが昨今は、インターネットを使えて当たり前の世の中となり、かなり大きなファイルはメールに添付なんかしなくても、クラウド・サービスで共有できたりする。CD-R で手渡ししていたなんて、どんな大昔のことかと思ってしまうが、ほんの数年前までのことだった。
それが、今では音楽だって CD の形で買ってくるなんてことが激減し、それどころか Apple は iTunes でのダウンロード販売を中止し、ストリーミングだけにしてしまいたいらしい。形ある「モノ」の上に焼き付けてデータをやり取りするという時代は、とっくに過ぎ去ってしまったようなのだ。
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コメント
フロッピーディスクにはもう存在理由はないようですが、さらに古い媒体であるLPレコードは復活の兆しがあるようです。
2009年には10万枚の生産量が2016年には80万枚まで復活したようです。(アメリカでは2005年100万枚の生産量が2013年には600万枚に増加)
LPレコードには単なる記憶媒体としてのモノではなく、アーティストにとって想いを込めやすく、ファンからすれば何かそれを感じ取ることができるモノかもしれません。雰囲気のモノとも言えるでしょう。
因みに、周囲にいる40歳代の人にLPレコードの話をしたら、見たことがないと言われました。当然かも知れませんがちょっと驚きました。時代は変わる、目まぐるしく。
投稿: ハマッコー | 2017年12月12日 15:00
ハマッコー さん:
LP レコードは、ジャケットが大きいのでアートしやすいんですよね。
中身を捨ててジャケットだけ取ってあるのが何枚かあります。
投稿: tak | 2017年12月12日 20:00
私の母は、平均年齢70歳に届かんとするコーラスサークルに所属してまして。
CD-R、バリバリの現役ですw
練習のためのピアノ伴奏やパートリーダーの歌声、また発表会の録音なんかをみんなに回すのです。
そしてそれを作るのは、すでに実家からちょっと離れたところに独立した私・・・。
これでもマシになった方です。
5年ほど前までは、『カセットにダビング』でしたから!
実家には『ダブルカセットデッキ』がありましたから!
ちなみに私は、ヤマハのデスクトップオーディオを愛用しています。
古臭いCDラジカセ風の外観が、一周まわってオシャレに感じます。
投稿: らむね | 2017年12月13日 06:16
らむね さん:
そりゃまた、大変なことで ^^;)
(カセットにダビングの段階からは卒業できてよかったですね)
そもそも楽譜がすらすら読めれば、録音データでもらう必要なんてないんですけどねえ (かえって邪魔だったりして)。
投稿: tak | 2017年12月13日 20:54