整理収納 Before After、そしてその後
テレビ番組などで、ごっちゃごちゃにちらかって半ばゴミ屋敷状態の家に整理収納のプロが訪問し、あっという間にすっきり片付けて「別の家みた〜い! なんてことにしてしまうといった企画が時々ある。本当に見事なまでに片付けてしまうので、「我が家にも来て欲しい」なんて思ってしまう人もいるだろう。
だが私は、こうした企画でその家がその後ずっときれいな状態であり続けるかということについては、かなり懐疑的だ。半年後にその家を訪ねたら、おそらく元のゴミ屋敷寸前の状態に戻っているのではないかと思う。
整理と収納のセンスのない人というのは、確実にいる。彼らの周囲はありとあらゆるものがゴチャゴチャに積み重ねられ、今にも崩れ落ちそうになっている。何かモノを探そうとしても、あちこちひっくり返してようやく見つかる。必要なものが奥深くに眠っていて、取り出しやすい手近にあるのは、「何じゃ、こりゃ?」みたいなガラクタばかりだ。
周囲の者から「あんまりだから、そろそろきちんと整理したらどう?」と促されても、「うん、そのうち」と生返事するばかりで、一向に手がつかない。「なんであんなにだらしがないのだろう」と言われるばかりだが、彼または彼女は、だらしがないというより整理収納のセンスがないので、どうしても手がつかないだけなのだ。
これはもう、音痴の人がどうしてもきちんと音程を取れないのや、運動の苦手な人がどうしても鉄棒の逆上がりができないのと同じで、生理的なものと思った方がいい。簡単に教えてもらって身につくものじゃないようなのだ。
妻は「でも大丈夫よ、ああいう企画では、まず最初にごっそりとモノを捨てることから始まるから、ゴミの山にはならないわ」と言う。しかしいくらモノを捨てても、整理センスのない人はあっという間に不要品をため込むのである。そしてため込んだモノをきちんと収納できず、いずれ元の木阿弥でゴチャゴチャになる。
整理収納下手な人というのは、要するにモノを捨てられない人なのである。不要なものでも「そのうち使うかもしれないから」などと言って、適当な場所にしまい込む。ところが「そのうち使うかもしれない」というものを実際に使うことなんてまずないのは、多くの経験の示すところである。
稀に実際に使う場面が生じたとしても、その頃にはどこかにしまい込んでおいたことすら忘れてしまっているから、つい同じようなものを買って来ることになる。そして気付いた時には、同じモノが家中のあちこちに売るほどあると知る。
こうした人というのは、いくら「収納特集」なんていう雑誌や「断捨離」の本なんて買ってきて読んでも、まず身につかない。心の底で「自分はちょっと別。だって大切な思い出の品が一杯なんだもの」なんて思っていたりするから、捨てたり整理したりする作業にとりかかれない。
「自分が死んだらあれもこれも、棺桶に一緒に入れてもらいたい」 とまで言うが、そんなに大きな棺桶なんて世の中にない。こんな人は、整理収納が上手な人と暮らすしかないだろう。
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コメント
同感です。そしてこういうのは圧倒的に女性が多い。母性本能の一種でしょうかね。うちの女ども(女性蔑視表現?)もそうですが(≧ω≦)
いいとか悪いとかではなく、本能の一種なのでどうしようもないっす(あきらめの境地)
投稿: ゲスおぢさん | 2018年1月10日 23:20
ゲスおぢさん さん:
ウチの妻も、まず 「捨てることのできない人」 ですね。
「これ、要るの?」 と聞くと、どんなガラクタでも 「そのうち使うから、捨てないで」 ってなことになるので、最近は聞かずにどんどん捨ててます (おっと、これは内緒)。
ただ、いくら捨ててもほとんど気付かれません (これも内緒 ^^;)。
実際にこのタイプは女性に多いですが、たまにオッサンでもこんな人がいます。
投稿: tak | 2018年1月11日 12:12