「光セラピーランプ」 という商品
今はどうだか知らないが、昔の漫画雑誌の一番後ろのページあたりは、アヤシい広告が満載だった。「運命が変わるブレスレット」とか「モテるフェロモン」とか 「背が伸びるヨガ講座(ビデオ付き)」とか、甚だしくは「服が透けて見える眼鏡」などというトンデモ商品まであった。つい買っちゃうのがいるからこそ、ああいう商売が続いていたのだろう。人間は騙されやすい動物である。
こんな昔の漫画雑誌の広告を思い出してしまったのは、Gigazine にあった「Amazon で 9割近い高評価を集める光セラピーランプの中身は単なる電球型蛍光灯と判明」という記事を読んだためである。「太陽光を浴びない生活で崩れがちな体調を回復させてくれる光セラピー効果を持つ」 という宣伝文句で販売され、結構満足度の高い商品として位置付けられている。
記事によると、シンガポールでのクリスマス休暇から戻ったとたんに、寒くて日照時間の少ない生活で体調を崩してしまったカナダ人のジャスティン・ラムさんという人が、Amazon で見た Therapy Energy Lamp (光セラピーランプ) を購入したのだそうだ。ところが、中の電球がごくフツーの電球型蛍光灯(CFL 電球)とそっくりだったので疑問を抱き、分光器を使ってこの商品の光を計測した。
その結果、詳しいことは省くが、この商品はほとんど CFL 電球と変わらないことがわかったというのである。フィルターによって紫外線がカットされているという謳い文句もあったが、測定の結果は、「紫外線をカットするという特別な光学特性はないが、光自体を減退させることで紫外線量が気にならないレベルまで減退させることには成功している」とわかった。
Amazon に行ってみると、これの類似商品がいくつか紹介されているが、「自然の太陽光に近い光で、エネルギーをチャージする」とか「冬の間の気だるさを解消して体の自然なリズムを取り戻す」とかの謳い文句が踊っている。安いもので 39ドル 99セント、一番人気は 79ドル 95セントの商品である。結構な星印が付いて満足度が高いようなので、つい買ってみたくもなるのだろう。
しかし実際には単なる蛍光灯の光をちょっとマイルドにして、紫外線を少なくしているだけという商品のようなのだ。それでも人間はこの光を浴びて、「うん、いい観じ!」なんて思ってしまうのだろう。気分の問題だけでいい気持ちになれるのだから、フツーに明かりを付けて暮らしていればいいのだろうがね。
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コメント
一万円札を敷き詰めた湯舟に入って、水着姿のオネーちゃんたち侍らせて満面の笑み。
なんちゃらクリスタルの広告、あの胡散臭さを今でもやってるんですかねぇ。
一度でいいからしてみたい。
万札なしでもいいから、オネーちゃんたち侍らせて…(ボカッ👊)
投稿: 乙痴庵 | 2018年1月20日 11:18
連投恐縮。
「トッ・テモ・カンタン!」
の、上半身鍛えられる器具の広告は、今でもやってるんでしょうかねぇ。
アタクシの物心つく頃に、「すたいりぃ」なる全身運動ができる(らしい)器具が人気だったと聞きますが…。
(結果腰を痛める器具だったと聞き及んでおりますが…)
投稿: 乙痴庵 | 2018年1月20日 11:24
乙痴庵 さん:
体を鍛えるには、「カンタン」 にではなく、地道にやるしかないですね (^o^)
投稿: tak | 2018年1月20日 23:25