整理・整頓・収納の三原則
昨日の「整理収納」関連の続きである。私はずっと自分が「整理収納が下手な人間」だと思っていた。ところがよく自己分析してみるとそういうわけでもないと、ある日突然気付いた。自分は「収納」は得意で、結構な量の品物でもきちんとコンパクトに収納できる。この才能は旅行やキャンプの際の荷物のパッキングなどに十分に発揮されている。
自分に欠けているのは「整理」能力なのだと、30年ほど前に気付いた。「整頓」ならできる。きちんとコンパクトに収納するために、多くの品物を種類・用途別に分類して、使いやすいように収めることは、自分でいうのもナンだが上手なのだ。ところがその前に、「整理」ということをしないと、結局のところ、収納スペースが隙間なくぎっしりになりすぎて、わけがわからなくなる。
「整理」という作業のかなりの部分は、「捨てる」ことだ。例えはよくないかも知れないが、「人員整理」と言ったら、クビを切ることである。「整理・収納」における「整理」というのは、言うまでもなく「不要品を捨てる」ことと割り切れば話が早い。
以後、いろいろ試行錯誤しながら、「整理・収納」に「整頓」という項目を加え、自分なりの「整理・整頓・収納の三原則」に行き着いた。こんな具合である。
- 「整理」: 「捨てる」作業をみっちり行う
「そのうち使うかも」 というモノは、結局使わない。「思い出の品」なんて、なくても困らない。よほどのセンチメントがあるなら、モノとしてではなく写真にして残す。
この作業をみっちり行うと、収納しなければならないモノは半分以下に減る。 - 「整頓」 : モノを種類・用途ごとに分類する
同じ類いのモノは 1カ所にまとめる。分散させると結局ありかがわからなくなって、つい買い直すことになり、ある日突然、「同じモノが家中のあちこちに売るほどある!」と気付く。
1カ所にまとめると収納スペースが足りないというなら、それはとりもなおさず「まだ持ち過ぎてる」ということだから、収納スペースを増やすのではなく、モノの方を減らす。つまり「もっと捨てる」。 - 「収納」: 棚や引き出しに「平ら」に収める
床に直接置くのはテーブルや椅子などの他は、棚やキャビネットなどの収納家具のみ。それ以外のモノを床に置くのは「ゴミ屋敷化」の第一歩である、
収納スペースにモノを整然と収めるには、棚の段を調節するか、ボックスに入れて「平ら」に重ねる。「角が丸くてフワフワ (ペーパーバッグに詰め込んだ衣類など)」とか「小物が剥き出し」の状態のまま積み重ねると、悲惨な「雪崩現象」につながる。
上の写真は、「小物」を種類別にまとめて「平ら」に重ねたものである(上のトレイは左右にスライドする)。こうした状態で収納すると、ゼムクリップやホッチキスの針、画鋲などを無駄に買ってしまうことがなくなる。前は私の引き出しの中も、使い切れない「マックス針」が奥の方に 3箱眠っていた。
この単純素朴な「三原則」を徹底すれば収納に困ることはなくなるが、いろいろ試行錯誤を経なければ、本当には身につかない。「そう言えばこれ、1年以上触ったことすらないな」とか「なんでこんなもの後生大事にしてたんだろう」なんて気付きながら、その度に処分していくことで、だんだん身の回りがすっきりする。
要は「必要最小限のモノ」で暮らす方が快適と知ることだ。大切なのは「モノ」ではなく、形のない「コト」なのである。今は情報化社会だから、「なければ困るモノ」なんて少なくなった。本当に「なければ困るモノ」というのは、「生産活動のなれの果てとしての消費財」ではなく、「コト」を生み出すための「道具 = ツール」なのだ。
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コメント
そういえばしばらく前に、失恋だかがキッカケで生活を一新しようと思い立ったダメ男が、自分の所有物を全部倉庫にいったん預けて部屋をがらんどうにし、「1日1つずつ取りだして良い」というルールを自分に課す、という映画がありました(予告編を見た)。ちょっと観てみたい。
投稿: 山辺響 | 2018年1月11日 15:57
【追記】
公式サイト発見。http://www.365simple.net/
投稿: 山辺響 | 2018年1月11日 15:59
山辺響 さん:
公式サイト見てみました。おもしろそう!
投稿: tak | 2018年1月11日 17:35
そもそも、「片付ける」気持ちよりも、「使い勝手を良くする」気持ちがなければ、一生片付きません。
「とりあえず取っておくこと」は、決して悪い感覚ではありませんが、「その後すぐ使える様に収納する」気持ちがなければ、やっぱり一生片付きません。
あのね、お母さん。
その場所は「空いている」んじゃなくて、「空けてある」んだから、空いた瞬間モノを詰めなくていいから。
あとね、冷凍庫も「空けてある」んだから、必要な分だけ空けてあるんだから。
投稿: 乙痴庵 | 2018年1月20日 11:59
乙痴庵 さん:
>そもそも、「片付ける」気持ちよりも、「使い勝手を良くする」気持ちがなければ、一生片付きません。
それは言えてる!
よく聞く話ですが、奥さんがあんまりモノを増やすので、旦那が屋根裏を改造したり、物置小屋を増設したり、押し入れを工夫したりして、何とかして収納場所を増やすと、そのスペースがあっという間に、要りもしないガラクタで埋められて、埋められるだけならまだしも、はみ出してゴチャゴチャになるという法則があります。
多くの女性は、「取りあえず取っておく」 というのが習性なんでしょうね。使う時のことまでは考えないので、いざ必要になると、どこにあるかわからないので、結局新品を買ってきます。それで、年末の大掃除で、「同じモノが山ほどある!」 ってなことになります。
投稿: tak | 2018年1月20日 23:41