赤信号では停止線の手前で停まるということの意味
赤信号で停まる時、できるだけ停止線より前に出て、いつも前輪を横断歩道に乗せたぐらいの位置に停まるというドライバーが、少なからずいる。信号が変わるギリギリのタイミングで止まりきれなかったというわけでもなく、十分に余裕があっても、スピードを緩めながらだらだらと前進し続けて、結局止まった所は横断歩道の上という人は、いつも決まってそうした位置に停車する。
上の写真のワゴンのドライバーも、そんなタイプの人だった。赤信号で停まる時は、意味もなく少しでも前に出た状態で停まりたいらしい。あまり呆れたので、iPhone で撮影してしまったのである。
たまたま 2車線の道路をしばらく併走する形になったのだが、彼は追い越し車線をどこまでも私と並んで走るので、後ろには追い越したくても追い越せないクルマのパレードができていた。こちらが気を使って減速すると何故か彼も減速するので、後ろでイライラしているクルマをどうしても前に出してあげることができない。
というわけで彼は、「急いでるんで、赤信号でもちょっとでも前に出ておいて、青になった途端にダッシュしたいんだ!」というわけじゃないことは明らかで、ただひたすら無意味に「ちょっとでも前に出た状態で止まりたい」というだけのようなのである。
かなり昔のことだが、知り合いのクルマの助手席に乗せてもらって、都内の住宅街を通り抜けたことがある。なにしろ都内だから頻繁に赤信号にひっかかるが、彼も上で述べたタイプのドライバーだった。先頭で赤信号にさしかかると、ゆっくりと減速し、十分に停止線で止まれるにも関わらず、必ずそのままだらだらと前進して、できるだけ前に出てから停車するのである。
「こいつ、ちょっとヤバいな」 と思っていたところに、たまたま白バイが通りかかり、停車位置が前すぎるということで厳重注意をくらった。その時の警官はなかなかよくデキた人で、頭ごなしに叱らずに、なぜ停止線で止まらなければならないかをしっかりと説明してくれた。こんな説明だった。
交差点でこんなに前に停まっていると、左側から右折してくる大型車が、あなたのクルマが邪魔になって曲がりきれないという事態になるんです。停止線というのは、それを計算して引いてあるんだから、きちんとそこで停まらないと、大変な交通妨害になってしまうんですよ。
こんなことはフツーに考えれば常識的なことである。ところが彼は、警官に説明されて初めて「停止線」というものの存在を意識したようなのだった。ただ、意識したはいいがそれもほんの一瞬のことで、次の交差点で赤信号になると、またしてもだらだらと前進して、ギリギリまで前に出て止まったのである。「蛙の面に小便」とはこのことだ。
ところがまさにその時、左から大型トラックが右折してきて、我々の乗ったクルマが邪魔になり、曲がりきれないという、警官に言われたばかりの事態が現実化してしまったのである。
「ほぅら、停止線で止まらないとこんなことになるって、さっき警官に言われたばかりじゃん」と言ったのだが、どうしようもない。後ろには数台のクルマが続いて止まっていて、急にはバックすることもできない。大型トラックが立ちふさがった交差点は、本当に交通マヒになり、クラクションが鳴りひびいた。
その時は後ろにいた数台のクルマに少しずつバックしてもらって、何とかなったのだが、この経験をしたことで、彼は初めて「停止線の手前で止まる」ということの意味を理解したようだった。実際に痛い目に遭わないとわからないタイプの男である。
そして私はと言えば、停止線を越えて止まるクルマの後ろに停車するときは、そのクルマがいつでもバックして来れるだけのスペースを空けて停車することにしている。交差点が交通マヒしたら、自分も困ってしまうのでね。
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コメント
ありゃ、tak先生、イラつくのに随行されちゃいましたね。あっちいけ!的な?タクシーでもいますよね。信号ストップで横断歩道の半分くらいふさいで停めたり、客を降ろすとき横断歩道を全部ふさいで停めるやつ。停止線や歩道のしましまは単なる模様だと思ってるのかしら。ったくむかつくぅ!
自転車でもいるんですよ。おっさんで、高いの乗っててウエアもレーサースタイルでバッチリ決めてるのに信号ストップで停止線など無いかのように、渡ってる歩行者の間をジグザグにすり抜けて横断歩道のさらに前のポールポジション(笑)を確保して、「どうだ、俺かっくいいだろ」的に得意げに信号待ち。高い自転車乗ってるくせに自転車も車両だっていう認識がないのね。んで信号が青に変わってもギアを重いギアに入れたままだからノロノロスタートして、あたしが追い越すとすごい勢いで抜き返して、また信号ストップでさっきと同じ繰り返し。
ったくむかつくぅ!
投稿: のうさぎちゃん | 2018年1月 4日 23:36
>実際に痛い目に遭わないとわからないタイプの男である。
まだ救いようがあるタイプですね。
”そういう仕事の仕方をしていると大変なことになるよ”と警告しているのにやらかしてしまった。
それで懲りたのかと思いきや、また同じことをやらかす。
過去に3人いました。
●●は死ななきゃ治らないは本当です。
対処にしようがなかったですね。
そのうちの二人は退場する方向に誘導してあげました。
投稿: ハマッコー | 2018年1月 5日 13:40
のうさぎちゃんがおっしゃっているように、自転車はほとんど停止線を守りませんね。まぁそれ以前に信号すら守らない輩が大多数ですけど、大きな交差点でさすがに信号無視は命が危ないという場合でも、停止線を守る人はごく少数です。
そして、そういう奴はたいてい遅いので、何度も抜かなければならない羽目になり、まともな自転車乗りとしては、迷惑この上ない……。
投稿: 山辺響 | 2018年1月 5日 15:40
のうさぎちゃん:
私は都内を自転車で走ることが滅多にないので、信号で自転車にムカつく経験はあまりないんですが、遭遇したらかなりうっとうしいですね。
でも、確かに自転車の方が交通法規を守りませんね。下手したら免停になる可能性もあるのに。
投稿: tak | 2018年1月 5日 18:02
ハマッコー さん:
「死ななきゃ治らない」 タイプの人も、結構いますね。「恐縮」 という概念を知らないので、周りは大変な迷惑です。
投稿: tak | 2018年1月 5日 18:07
山辺響 さん:
自転車は停止線守らなくていいと思っている人は多いですね。うっとうしい限りです。
投稿: tak | 2018年1月 5日 18:08
あー、すみません、私ロードレーサー乗るんですが、停止線を越した左端に止まってます。
(文字記号で図を描きましたが、伝わりますかね・・・)
|||||| ←横断歩道
● ←●が私の自転車
ーーーーー ←停止線
---
|自|
|動|
|車|
---
理由は2つ、停止線手前だと、真横のかなり近い位置に止まる自動車があり、幅寄せされること。
もう1つは、赤信号中に自動車の左側をすり抜け、自動車の前に出てこようとするバイクの進路をふさぐ形になり、下手したらあおりを受けること。
法規違反なのは分かってるんですが、現実的に他車の通行を妨げずかつ安全な場所ってここなんですよねえ・・・
どーもすみませんです、ハイ。
投稿: らむね | 2018年1月 6日 21:36
らむね さん:
なんとなく、気持ちはわかる気がしますが、私は停止線で止まってます。ゴチャゴチャしがちなときは、クルマの列の後ろの方でのんびり待ちます。
投稿: tak | 2018年1月 7日 18:17
そうですね、せかせかしなければいいんですよね(笑)。
稀に、こういう停止線がありますね
|||||| ←横断歩道
ーーーーーー ←停止線
|二 輪 車 ←地面に文字、縦間隔3mくらい
| ---- ←停止線
| |自動車 ←地面に文字
| |
| |
(逆L字形に2重に白線が引いてあり、1列目の後ろに二輪車、2列目に自動車と書いてある)
おそらく、自動車もバイクも多い道路で、接触などのトラブルを防ぐためだと思いますが、ここはストレスなく通れて快適でした。
広さに余裕が無いと難しいのでしょうが、自転車乗りとしては増えるといいなと思っています。
投稿: らむね | 2018年1月 7日 19:05
らむね さん:
時々ありますね。これだとかなり安心しますね。
投稿: tak | 2018年1月 7日 19:35
らむねさんがおっしゃっている、「赤信号中に自動車の左側をすり抜け、自動車の前に出てこようとするバイク」……いますねぇ、確かに。私の自転車の左をすり抜けようとする奴さえいます。お前ら、ホントにエンジンついているのか。
停止線越えても、横断歩道まで突っ切らないなら、法律違反かもしれないけど、分かる気はします。
投稿: 山辺響 | 2018年1月10日 15:44
山辺響 さん:
この手の連中は、車輪 1回転分でも前に出たがるんですよね ^^;)
それにしても、自転車の左側をすり抜けるというのは、プライドに欠けてる気がするなあ。
投稿: tak | 2018年1月10日 15:50