昆虫食、ドンと来い!
今年 1月から EU で「昆虫食」の取引が自由化されることが、昨年夏に決定されていたわけだが、それを受けて、コオロギのクラッカーなどの販売が開始されているというニュースを、ラジオで聞いた。帰宅してからネットで検索してみると、Wired に "コオロギを食品にするスタートアップが描く「新しい食生活」 ── クラッカーからパスタ、デザートまで開発" というニュースがアップされている。
商品化したのはイタリア人で、商品名は "crickelle" というらしい。ニュースに添えられた写真をみるとごくフツーのクラッカーで、コオロギを粉末にしてクラッカーにしたらしい。上に挙げた 「イナゴの佃煮(甘露煮)」みたいなものとは完全に趣きが違っている。
昨年夏の自由化発表の際の調査でも、イタリア人の 47パーセントは食用昆虫の取引自由化に賛成で、28パーセントは「実際に昆虫を食べることに関心がある」と答えている。これはそれほど驚くようなことではなく、世界では昆虫食がかなり普及していて、南米では当たり前のことと言われている。
かくいう私の育った山形県庄内地方でも、イナゴの佃煮はごくフツーのメニューだった。昔は秋の田んぼを捕虫網でざっと掬えばどっさりイナゴが捕れたのだから、これを晩秋から初冬のタンパク源としない手はなかった。
そんなわけで私は、イナゴの佃煮がなかなか手に入りにくくなった今でも、あの独特のチャリチャリした食感を懐かしく思い出すことがある。「気持ち悪くて食べられない」なんて言う人の気が知れないのである。
とくに最近は完全にビーガンというわけではないが、肉食を極力避けているので、イナゴは問題なく食えても、牛や豚の方にずっと心理的抵抗がある。外食などで間違えて牛や豚の肉を食ってしまうと、「ありゃ、口の中に変なものが入って来てしまったな!」と思ってしまう。「こんなもの、どうして昔は『美味い』なんて思ってたんだろう」と、不思議なほどで、近頃では見た目すら気持ち悪く感じる。
いずれにしても、昆虫食は牛や豚を食うよりもずっと環境負荷が少ない。カロリー当たりのエネルギーと水の消費が格段に小さくて済むので、世界を食糧問題から救うのは昆虫食だとまで言われている(参照)。
イナゴやコオロギが気持ち悪くて食えないなんて言う人には、「そんなこと言いながら、よくシュリンプが食えるね」と言いたくなってしまうのだよ。あれって、形は虫そのものだけど、やっぱり、あの赤みが心理的抵抗を消してしまうのかなあ。
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コメント
イナゴはコメ食ってるんだから全然オッケーよね。酒のアテに最高よね。ほかのは…なに食ってるかわかんないもんねぇ。あたしゃ御免こうむります(ギャフン)。
投稿: あほうさぎ | 2018年2月 8日 02:18
あほうさぎ さん:
ミミズ食った魚は食べるけど (^o^)
投稿: tak | 2018年2月 9日 10:36