冬の北海道は新鮮な体験で一杯だった
旭川から帰ってきて 3日も経っているのだが、何だか新鮮な経験をさせてもらったような気がして、改めて書いてみる。
何が新鮮といって、あの空の青と雪の白しかない景色である。とにかく雪が混じりけなく白い。除雪した道路でも、完全に雪をどけているわけじゃないのだが、北海道の自動車はその白い道路を軽快に飛ばす。関東の平均的なドライバーには信じられない光景である。
そしてその雪が、内地とは別物なのだ。私とて、雪深いとは言えないが、一応雪国の山形県庄内の生まれなのだが、あんな質の雪がフツーに都市に積もっているのを見たのは、これが初めてだ。本当のパウダースノーとは、こういうのを言うのだなと実感した。
なにしろ、空から降って地面に積もってから、一度も溶けかかったことのない雪である。最高気温でもマイナス 5〜6度というので、溶けかかったことがないから、とても乾いている。正真正銘のさらさらで、手で握っても容易には溶けない。
だから、喩えて言えば片栗粉か小麦粉のような感覚で、片栗粉をボウルにあけて掌で押さえつけるとキュッキュッと鳴るごとく、足で踏むとキュッキュッと音がするのである。まさに「固体」の粉の集合体なのだ。
試しに手にとって握ってみようとしたが、全然塊にならず、ぱらぱらと地面に落ちるだけだ。土地の人に「これじゃ雪合戦なんかできませんね」と聞くと、「いや、この辺の子たちも、雪合戦しますよ」と言う。どんな風な魔術を使って雪合戦の雪玉を作るのか、謎である。少しだけ溶かして水分を含ませるには、相当長い間丹念に握っていなければならないだろう。
郊外の森林公園に足を踏み入れると、いろいろな動物の足跡が見られる。「キタキツネの足跡はモデル歩き」というのも、初めて知った。左右の足跡がほぼ 1列に並んでいる。1本のラインのように見えるのだ。キツネより体の小さいウサギやリスの足跡の方が、2列なので太く見える。
そしてキタキツネが木の回りを 1周して Uターンしてきた足跡を見ると、幅の広い 2列に見え、ものすごく大きな動物の足跡と錯覚する。しかし、例えばヒグマだったりしたら、もっとグローブのように大きな足跡になるだろう。
寒いことはとても寒かったが、1日で帰ってくるのが惜しいような素晴らしい初体験の連続だった。いつか冬の北海道のど真ん中に、ゆっくりと滞在してみたい。
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