庄内のお皿って結構な値打ちものもあるらしい
JR 東日本の新幹線内に常備されている雑誌『トランヴェール』に、「山形、骨董探訪 北前船がつないだ北前船がつないだ庄内、新潟、金沢」という特集があった。表紙はこんなのである。
この表紙にある焼き物だが、「この手の皿なら、庄内のちょっとした古い家なら、いくらでもあるわなあ」という印象である。ごくフツーの食事で、サンマの焼いたのとかを載せて食卓に出されたりする。ところがこれ、古伊万里の伝統をひくものらしいのだ。
私は陶磁器や骨董に全然詳しくないので、深いところの話はよくわからないのだが、庄内は江戸時代の北前船によってもたらされた古伊万里の宝庫らしいのである。まあ、フツーの家庭でサンマなんか載せて出していたのはほとんどデザインだけ真似たイミテーションなんだろうが、この手のデザインが庄内のスタンダードだったという事実は、古伊万里がたくさんあるということで裏付けられるんだろう。
で、酒田は今、「酒田雛街道」という催しの真っ最中で、街中のあちこちに雛人形が飾ってある。酒田のひな祭りは月遅れだから、来月初めまで続くのだが、博物館級の展示になると、江戸中期頃に上方で作られたみたいな、とんでもない値打ちものがあったりする。
日本中で結構古い雛人形の展示があったりするが、庄内の雛人形は他の土地のものと比べて保存状態が格段にいい。ものすごく大切にされてきたことを物語る。まあ、昔の豪商が金にあかせて買い集めたものだから、大切にもするわなあ。
というわけで、東北の片田舎ながら、結構な眼福ものにお目にかかれたりするのが、我が故郷というわけなのである。
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コメント
岐阜県東濃地方、美濃焼の産地在住であります。
身の回りは、大量生産の陶磁器だらけですから、感慨に耽るほどの器にお目にかかることはありません。
(そりゃ老舗の飲食店や旧家なら普段使いでしょうが…)
無地(だいたい白磁です!)、古式ゆかしきデザイン、マンガアニメのキャラクターからデザイナーズコレクションみたいな図柄、使う人に優しくないデザインなど、なーんでもアリです。
なので、普段使いの器で古伊万里(あるいは古伊万里風)が出てくることに、深い興味を覚えました。
当地の展示販売で「6桁円」の器を見て、「綺麗だけど使い勝手最悪」のモノもあります。
器は使って初めて、その価値が高まります。
どんどん使ってください。
産地のオッサンからの、お願いでした。(←アホウ)
長文恐縮です。
投稿: 乙痴庵 | 2018年3月 8日 12:46
乙痴庵 さん:
>器は使って初めて、その価値が高まります。
賛成。
美術品として飾っておくための器というのもありますが、それはほんの少ない数で充分ですね。
投稿: tak | 2018年3月 9日 22:37