奈良の鹿をじらしたら、噛みつかれるのも仕方がない
読売新聞が "奈良公園で 「鹿にかまれた」 … 相談の 8割外国人" と報じている。私は 「奈良の鹿が人に噛みつくぐらいは昔から有名な話で、何を今さら......」と思ったが、外国人、とくに中国人が鹿に噛みつかれて大袈裟に騒ぐのは、狂犬病が怖いという事情があるようだ。
記事によると、統計を始めた 13年度の全体の相談件数はわずか 50件で、そのうち外国人は 12件のみだったが、17年度(1月末現在 )は 128件と、10倍に増えたのだそうだ。8割以上が中国人で、中国からのインバウンドの急増を象徴する話である。
鹿に噛まれたぐらいでは怪我の程度は軽い。しかし「狂犬病が怖い」と言って相談に来るケースが多いので、奈良公園側では、「日本では 50年以上、狂犬病は発生していません」として安心するように呼びかけている。
道理で最近、奈良公園に行くと鹿との接し方について注意を呼びかける看板が増えた気がしていた。看板は英語、中国語など、数カ国語で書かれているが、主として中国人向けだったわけだ。中国人は 「鹿せんべい」 を与えるところを写真に収めたがるようで、シャッターチャンスを狙っているうちに、鹿の方がジレて噛みつくケースが多いという。
奈良公園の鹿は餌付けされているとはいえ、基本的に野生で、その上に人慣れしすぎて恐れないから、じらされたら怒って噛みつく。昔から「宮島の鹿は純朴だが、奈良の鹿は生意気」というのが、知る人ぞ知る定説で、日本人でもよくケツを噛まれたりしていた。日本人は狂犬病の心配に思いが至らないから、ことさら騒がないだけである。
ただ、「純朴」と思われている宮島の鹿でも、油断がならない。私の知人はちょっとよそ見をしているうちに、ガイドブックをむしゃむしゃ食われてしまったというから、気を許しすぎるのは禁物だ。
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コメント
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投稿: omachi | 2018年3月18日 19:31
omachi さん:
ご苦労様です。
投稿: tak | 2018年3月18日 20:03