「弱り目にたたり目」の政権
近頃、麻生さんの人相が悪くなったんじゃなかろうか。昔はもう少し柔らかみがあったような気がするが、安倍さんなんかとみっちり付き合っているうちに、こんなような顔になってしまった。まあ、最近は芳しくないニュースでしか取り上げられないから、たまたま悪いタイミングの表情を撮られちゃうケースが多いだけかも知れないが。
それにしても、例の財務官僚の「セクハラ事件」について「はめられたんじゃないか」なんて発言するのは、考えがなさすぎる。このところずっと、自ら墓穴を掘っているようなところがあるが、その穴をどんどん深くしている。
「はめられたのかも」と内心思ったりするのは、人間誰しも安易な保身本能から発してありがちなことであり、「そんなこと思うな!」なんて言ってもしょうがない。しかしつい思ってしまったからといって、公式な場でそれをぽろりと口に出しちゃっうのは、「危機管理」の理解のない証拠である。
ここで百歩譲って(いや、一万歩ぐらいかな?)、今回のセクハラ疑惑が、一部の人たちが言うように「ハニートラップ」だったと仮定する。断っておくが、これはあくまで「仮定」であって、私がそう思っているわけじゃないので、いきり立たないでもらいたい。
仮に今回の件がマスコミの女性記者によるハニトラだったとしても、財務省のトップ官僚がそれに簡単にひっかかってしまい、シンネリムッツリ食事を共にしながらアホな発言をして、あまつさえ気付かぬうちに録音までされるというのは、品性の問題だけでは済まず、ノー天気すぎる。本当に中国や北朝鮮の策略だったら、どうする気だったんだよ、まったく。
「あんな程度の発言はかわいいもので、田中角栄の時代までの官僚はもっと豪快で、無茶苦茶なことも言っていた。今の官僚は小粒すぎる」なんて懐古的なことを言い出す向きもあるが、今どき、そんな昔話を持ち出してどうしようというのだ。「野蛮な時代があったのだね」と言われ、自分の品性まで下げてしまうだけである。
で、こんなような状況で、財務大臣がつい思っちゃったことをぽろりと口にしたり、「お前、NHK?」なんて言い方をするのは、この状況をまともに「危機」と思ってないのか、あるいはこの期に及んでまだささやかな虚勢を張りたいのか。
いずれにしても、「危機的状況にある」ということにまともに気付きたくないという潜在意識が働いていて、そのことによって、ますます「弱り目にたたり目」という状況に自らを追い込んでしまうのは、これまでも散々繰り返されてきたことである。
エラい人たちって、本当に「危機管理」をわかっていない。
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コメント
失言でも威圧でも恫喝でもしゃべってもらって構いませんが、言えば言うほど、保身のための姿勢が明らかになってしまってますねぇ。
このお口から「国民のために」なんて飛び出したら、ますます、あ、「こんな人たち」ならヌケヌケと言っちゃいますかなと。
投稿: 乙痴庵 | 2018年4月30日 12:24
乙痴庵 さん:
保身が保身になってないというか ^^;)
投稿: tak | 2018年4月30日 12:41
「悪賢さ」がなくなってますよね。
悪賢いのも、もちろんそれはそれで困ったものですが。
投稿: 山辺響 | 2018年5月 2日 10:15
山辺響 さん:
確かに昔の政治家は、老獪な(食えない)オヤジが多かった印象です。
投稿: tak | 2018年5月 2日 20:14