「ターミナルホテル」 という名称のホテル
先日の出張で、某都市の「〇〇ターミナルホテル」 (〇〇は地名)という名称のホテルに一泊した。外壁や内装は最近お色直しした形跡があったが、設備的にはかなり古色蒼然としたホテルだった。
私は古いホテルに泊まることは全然厭わない。むしろ味があっていい感じだったりすることもある。甲府インター近くの「ホテル昭和」なんて、名前の通りかなり古いが、私はとても贔屓にしている(参照)。しかし先日の「〇〇ターミナルホテル」はいただけなかった。設備が古すぎて、ガタがきている。次にこの都市に来ても、このホテルに泊まることはないだろう。
一番驚いたのは、トイレの水洗レバーが壊れていることだ。水を流そうとしてレバーを捻ったところ、壁からレバーが外れてしまって、作動しない。外れたレバーを壁にはめ込み直し、手で押さえて捻ったら、やっと水が流れた。しかしそれからもちょっとさわっただけで外れてしまい、水が流れている状態ではずれてしまうと、今度は水が止まらない。
このホテルに泊まった日はいわゆる「寒の戻り」で、日が暮れてからはかなり冷え込んだのだが、集中制御式エアコンの吹き出し口がドア近くにあって、そこからベッドのあるスペースまで風が届きにくい。そもそも壁に取り付けられたエアコンのコントローラーが古すぎて、調節目盛りの文字がかすれて読めず、ということはまともな設定ができないのである。
さらに夜中にあまりにも寒いので、ごそごそ起き出してエアコンの吹き出し口に手をかざしてみたら、冷たい空気が吹きだしていた。暖房が故障したか、あるいはもしかしたら、前日まで初夏の陽気が続いたので、冷房に切り替えられていたのかもしれない。これには驚いてしまい、慌ててエアコンのスイッチを切ったら、多少は寒さが和らいだ。
ちなみに 30代後半から数年間、月イチのペースで尾州の一宮に出張していた時期は、「名古屋ターミナルホテル」というのを定宿にしていた。これは JR の名古屋駅から一歩も出ずにチェックインできる立地で便利だった。今は「ホテルアソシア」とかいう名前になってるのかなあ。
当時は JR ホテル・グループの運営する「ターミナルホテル」というのが各地にあって、いずれも泊まってハズレのないホテルだったが、ある時期を境にこの名称がどんどん消えて別の名前に変わった。多分「ターミナル」という言葉が「終末」という意味をもつので、「終末医療の施設じゃあるまいし」ということになったんだと思う。
ところがあの頃に、各地でJR ホテル・グループの尻馬に乗って、JR とは関係のない 「●●ターミナルホテル」 というのが続々とできていた。これらは名前だけいただいた「なんちゃってターミナルホテル」だから、JR 系の「本家ターミナルホテル」と比べたら、かなり落ちることが多い。
そして本家が「ターミナルホテル」の名称をどんどん廃止したので、今に残る「ターミナルホテル」というのは、建物も設備も、かなり古くなっている場合が多いのだろう。私が先日泊まった「〇〇ターミナルホテル」も、その例に漏れなかったわけだ。
というわけで、先日は他が満室だったので仕方なく予約したのだが、これからは「ターミナルホテル」という名称のホテルはなるべく避けようと思う。この名称のホテルが全て「ハズレ」というわけじゃないだろうが、敢えて選ぶだけの積極的な理由はないしね。
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コメント
2ちゃんふうに言うと、「遅コメスマソ」的な?
tak先生には悪いけど、なんかドリフのコントみたいなホテルですわね。それにしても「ターミナルホテル」って、なんか「人生の終着駅」みたいな不穏な感じがするからあたし、ちょっと遠慮したいわ。経営者のシト(←谷岡ヤスジふうに)はそういう「ネーミングがカスタマーに与える影響」って考えないのかしら。なんかもうちょっとこじゃれた名前にすればいいのにね( ̄ー+ ̄)ニヤリ
投稿: あ ほ う さ ぎ | 2018年4月14日 21:06
あ ほ う さ ぎ さん:
経営者のシトは、充分に 「こじゃれたネーミング」 だと思っているようなので、さらに厄介なのです ^^;)
今どきですから多分 「終末」 という意味だぐらいは聞き及んでいるのでしょうが、彼らの中では 「いいじゃん、ここは日本なんだから」 ぐらいのことになってるんでしょうね。
投稿: tak | 2018年4月14日 22:04