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2018年5月 4日

ショッピングセンターのトイレの不思議な貼り紙

時々買い物に行っているショッピングセンターのトイレに、前々から気になる貼り紙がある。下の写真の通り、「申し訳ありませんが」という大きな文字の下に「こちらのトイレは安全衛生点検・確認のため従業員も使用させていただいております」と書いてある。

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「安全衛生点検・確認のため」 に従業員がトイレを使用することの、一体何が「申し訳ありません」なのか、私は理解できないのである。そういう立派な理由があるなら(あるいは、そんなものなくても)、気にするこたぁないから、どんどん使ってくれってなものだ。こんな妙な貼り紙で客の頭を混乱させることの方を、ずっと申し訳なく思ってもらいたいほどである。

しかしことさらにこんな貼り紙をして、そこだけ不自然なほどの大きな文字にしてまで申し分けながってみせるのは、何かきっと深い理由があるのではなかろうかと、ちょっと深読みしてみた。

まず最初に思い当たったのが、「自分たちと同じトイレに従業員が入ってくることを不愉快がる客がいる」という仮説だ。私は従業員と客が同じトイレを使うことを別に何とも思わないが、中には「従業員は従業員用トイレを使えよ!」とイチャモンつけるとか、「お客様ご意見カード」かなんかに、そんなような苦情を書いて投書するとか、面倒な客がいたんじゃあるまいか。

そうしたことのガードのために、「私ども従業員がお客様と同じトイレを使うのは、『安全衛生点検・確認のため』なのでございます。どうぞご理解のほどを」という意味の貼り紙をして、予防線を張っているのかもしれない。もしこの推察が正しいとしたら、まったくご苦労なことだ。

実際のところは、従業員がトイレに入る度にしっかりと「安全衛生点検・確認」の作業をしているなんて、にわかには信じがたい。ということは要するに、「安全衛生点検・確認のため」なんていうのは、単に従業員が客用トイレを使うための、もっともらしい言い訳に過ぎないんじゃなかろうか。

あるいは、従業員は普段は従業員用のトイレを使っているが、たまたま本当に「安全衛生点検・確認」のために客用トイレに立ち入った従業員に、「客用トイレに従業員が入ってくるんじゃねえ!」とイチャモンを付ける客がいたのかもしれない。そんな時のために、「従業員が立ち入るのは『安全衛生点検・確認のため』に必要なことなのです」と言っているということも考えられる。しかしこれには大きな疑問がつく。

本当に「安全衛生点検・確認」のため(だけ)に立ち入るのなら、「従業員も使用させていただいております」という文言は余計な誤解を招く。単に「安全衛生点検・確認のため、従業員が立ち入る場合があります」としておけばいい。まあ、馬鹿丁寧好きの日本の小売業のことだから、「立ち入らせていただく場合がございます」ってな文言にしたがるだろうが。

いずれにしても、この貼り紙は「本当に客に申し訳ないから表示してある」というより、何らかのうっとうしい事態を避けるための予防線と解釈する方がずっと自然だろう。個人的にはこんな表示はするだけ馬鹿馬鹿しいと思うのだが、実際に貼り紙してあるってことは、この国には面倒くさい客が少なくないということの証左なのかも知れない。

 

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コメント

めんどくさいのが一人いるとこうならざるを得ない・たとえいなくても来た場合を考慮して、みたいなケースはどうしても出現するのでしょうね。こういうのを嗤う人が、いざうるさい人が現れた場合に直接援護してくれるわけでなし。
昔見た中で一番笑った例として、スーパーだったか書店だったか忘れましたが子供の塗り絵募集で「厳正なる抽選の結果、優秀賞を選ばせていただきました」というのがありました。『優秀』の定義とは……。
もっとも、クレヨンで乱雑に線を引いただけのが一枚混ざっていたので「抽選」というところだけは嘘ではなかったやもしれません(アリバイ作り?何のことやら)

投稿: 柘榴 | 2018年5月 5日 09:18

柘榴 さん:

「厳正なる審査」 ではなく、「厳正なる抽選」 で 「優秀賞」 を 「選ばせていただきました」 というのは、ものすごくシュールな世界ですね。

投稿: tak | 2018年5月 5日 21:46

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