「いざか族」 というのが存在するらしい
還暦をとっくに過ぎて、我ながら最近の世の中のことに疎くなり始めているなあと思ったのは、例の「居酒屋で小1女子刺され死亡、家族3人も負傷」というニュースを聞いたのがきっかけだ。
死亡した女の子や怪我をした家族は本当に気の毒なことだが、今日の記事は、このニュースそのものについてではない。というのは、このニュースを最初にラジオで聞いた時に、「小さな子もいる家族が、居酒屋で食事? 何かの間違いだろ?」と思ってしまったのだった。すると妻が、「最近の居酒屋って、ランチ・サービスとかあるらしいわよ」と言う。
「ふぅん、そうなのか、家族で居酒屋に行ってランチねえ。違和感ありありだなあ」と思っていると、ニュースによれば事件の起きたのは午後 6時過ぎだと言う。「午後 6時過ぎといったらランチ・タイムじゃなくて、『飲みタイム』に入ってるじゃん!」と、妻もびっくりということになった。近頃は、そういうのも十分「あり」なのだね。
ネットで調べてみると、子どもを居酒屋に連れていくのを巷では「いざか族」なんて言うらしい。「居酒屋で "一家団らん"『いざか族』が増える理由 - J-WAVE」という記事があり、これが 2014年 1月 15日付である。てことは、遅くとも 2013年の終わり頃には言われ始めていたのだろう。
それから約 5年間、私ときたらそんなことはちっとも知らなかった。とにもかくにも、酒を提供するサービスを前面に出した店に子ども連れで入れるなんていうのは、欧米ではあり得ないことだ。日本って、ふとしたところで国際スタンダードから外れまくったりする国であるというのは、かくのごとく確かな事実である。だからって、口うるさいオバサンみたいにどうこう言うわけじゃないけど。
「いざか族」に関する意識調査の関連をみると、概ね 70%近くは「好ましくない」と回答している。単純に「酒の席に子どもを連れてくるなんて、おかしいだろ」というのが、代表的な意見だ。しかしその一方で、「最近の居酒屋はファミレスよりファミリー対応が進んでる」「子どもをおいてけぼりにするよりマシ」など、肯定的な意見も少なくない。
とはいえ、国際スタンダードからは常識外れに違いない概ね 30%強の意向が、「酒を飲ませる店が子ども連れを積極的に受け入れる」という「世界に類を見ない、驚くべき革新的システム」を、さりげなく、しかも堂々と実現させているわけである。これはいろいろな意味でスゴいことと言うほかない。
いずれにしても、最近の私は居酒屋には年に 5回も入ることはないし、断り切れない付き合いでもなければ、決して積極的に入りたいとは思わない。居酒屋の流儀って、正直言って個人的には今イチ馴染みきれないところがあるし、ましてや家族連れで行くなんて、想像を遙かに超えている。
タバコの煙がもうもうと漂う中で(最近は禁煙席もできて、多少マシになっているようだが)、ちまちました(あるいはギトギトした)酒肴をつまみながらぐだぐだと酒を飲み続けても、最近の私としてはトーンが落ちるばかりだ。そんな状態で、場を白けさせないために気を使うというのは、かなり疲れるものがある。
というわけで、「居酒屋文化」からはできるだけ距離を置いて生きたいと思うようになっている今日この頃である。
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コメント
「いざか族」
takさん仰る通り、子を置く環境としてはよろしくない「居酒屋」ではありますが、家族で外出した際など晩飯利用で使ったことは度々。
「酒を飲む大人」に我が子を慣れさせ、将来的にアタクシの相手ができるようにしてきたつもりであります!
結果、まもなく二十歳になる我が子は、「は?酒、興味ない。」と、アタクシは家庭内崖っぷち呑んだくれへと、追いやられました…。
投稿: 乙痴庵 | 2018年5月23日 13:01
乙痴庵 さん:
逆効果だったわけですな (^o^)
投稿: tak | 2018年5月24日 01:42