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2018年6月21日

夏至の日の入りが一番遅いってわけじゃない

昨年 12月 1日に、「今日は日の入りの一番早い日」 という記事を書いた。一年で一番日の短いのは冬至ということになっているが、冬至は日の入りが一番早いというわけではなく、12月 1日を過ぎると、日の入りはだんだん遅くなる。ただ、日の出がさらに遅くなって、年が明けてからようやく早くなり始めるので、冬至が一番 「日が短い」 ということになっている。

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同じように、今日は夏至で、「日の一番長い日」 だが、だからといって日の入りが一番遅いというわけではない。上図は気象庁のサイトからコピーさせていただいた東京の日の入り時刻で(参照)、今日は 19:00、そして今月 24日以後は 19:01 と、さらに少し遅くなる。ちなみに左から 2番目の列が日の出時刻だが、今月初めからずっと 4:25 のまま、早い夜明けが続いていて、明日からは 1分遅くなる。

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というわけで、本日付の読売新聞の連載漫画 コボちゃん』は、残念な間違いを犯してしまっている。テーマはまさに「夏至」なのだが、左のコピーを見ていただけばわかるように、4コマ目で街灯が 「おしいねー わたしらセンサー付き街灯が一年で一番おそくつくとこみないの」 と独り言を言っている。

ところが上図で明らかなように、センサー付き街灯が夏至の日に 1年で一番遅く点灯するというのは、ありがちな誤解である。天気が一定と仮定すれば、理窟から言えば夏至の 3日後あたりから点灯時刻がより遅くなるはずなのだ。まあ、わずか 1分だから微妙な違いではあるが。

そして日没時刻は、来月の 4日までは 19:01 のままで、それが過ぎても 5日間は 19:00 となっている。だから、電柱の街灯が「おしいねー」なんて呟くのは完全な勘違いである。まず今日が「センサー付き街灯が 1年で 1番遅く点く」日というわけではないし、さらに 24日から 4日までの 11日間もの長きにわたって、「1番遅く点く」ことになっているのだから、「惜しい」なんてことはまったくない。

1年で 1番日の長いのが夏至で、日の短いのが冬至というのは誰でも知っているが、「日の長さ」というのが正午を中心としてきっちり対称をなしているわけじゃないというのは、案外意識されていない。学校でもとくに教えてくれるわけじゃないしね。ということは、学校の先生も案外知らないのだろう。

この辺りのことを身体的知識としてよく知っているのは、早起き仕事をする農家の人とか、新聞配達の人とかなのかもしれない。漫画家という職業は、早起きとはまったく縁がなさそうだから、知らなくても仕方がないか。

 

 

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自然・環境」カテゴリの記事

コメント

難しいことはよくわかんないけど(テヘペロ)、午後7時半くらいまで空に光が残っているのは、自転車に乗っていても何か得した気分になりますね(←貧乏性)
逆に冬至のころは、あっちゅうまに(あっという間に)真っ暗になってしまうので、すごく損した気分になりますね(←バカ)

投稿: あ ほ う さ ぎ | 2018年6月21日 22:09

あ ほ う さ ぎ さん:

来月半ば頃までが、得した気分のいい季節です (^o^)

投稿: tak | 2018年6月22日 05:21

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