ウナギのかば焼きが 2.7トンも廃棄されている
本日付の毎日新聞に "ウナギ 捨てられた 「かば焼き」 2.7トン 小売り調査" という記事がある。有料記事のため、無料では 921文字分の 612文字めまでしか読めないが、とりあえずそこまで読めば十分という気がする。
グリーンピース・ジャパンの発表によると、大手 18社の小売業への調査で、賞味期限切れなどにより売れなくなったウナギのかば焼きを、年間合計で 2.7トンも廃棄処分にしていることがわかったという。かば焼きは大手 18社以外でも売られているのだから、実際にはもっと大量の廃棄が行われているはずだ。
私は 5年前に「当面、ウナギとマグロは食わないことにする」という記事で、次のように書いている。
ウナギは資源枯渇が最も危惧される魚種であるらしい。だったら、簡単な話で、ウナギが増え始めるまで食わなければいいだけのことだ。ウナギを食わない人間が増えれば、ウナギの減少にもストップがかかり、ほどなく増加に転じるだろう。しかし、それは私の生きているうちは実現しないだろうから、生きているうちにウナギを食う機会は激減するだろう。
この記事を書いた頃から、仕事などの出先であてがい扶持の弁当で出てきた場合は、捨てるのももったいないから、仕方なく食うが、自分で選んでウナギを食うことは一切なくなった。土用丑の日にウナギを食わなくても病気もせずに生き続けているから、別に食う必要なんかないことは実証済みである。
それどころか、最近のかば焼きは中国で薬漬けで大量飼育されたウナギを使っていることが多いから、体に毒でこそあれ、薬になんかならない。薬漬けのウナギが薬にならないというのも、皮肉なレトリックである。
いずれにしても、絶滅危惧種を大喜びで食うなんていうのは夢見が悪い。はっきり言って、そんなもの、食っちゃいけないのである。喜んで食うやつが多いから、大量仕入れの結果としての廃棄も増えるのだ。ウナギを食わない同志が増えることを望むばかりである。
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コメント
私が鰻を食べないのは単に高いからです。中国産なんて食べる気がしないし国産だと一尾二千円は優に超える。
一食三百円以内に抑えようとする私には到底無理です。
安かったらちょっとくらいは食べてもいいですが。
土用丑の日にウナギを大量に店頭に並べ、節分には一本二千円ほどの金箔入りの海苔巻きを積み上げている。
また、クリスマスにはケーキの箱とチキン料理が山積みにされている。
これらの食品は売れ切れることはありません。相当な量が売れ残ります。鰻の廃棄量が「2.7トン」なんてあり得ないですね。その十倍と言ってもよい。
海苔巻きに至ってはスーパーでの売れ残りと4万店を超えるコンビニでの売れ残りを考慮すると数百トンになるでしょう。
日本人は優れた国民だと思いますが、業界の作り出した作戦にまんまと乗せられてしまう点は愚かだと思います。
私はおせち料理でさえも一切無縁です。元旦の日もごく普通の食事です。食べたい時にそれを食せばいいという考えです。
そんな私からすると日本の食に関する「慣習」は異常に映ります。ひねくれ者かもしれません。
投稿: ハマッコー | 2018年6月 5日 14:39
ハマッコー さん:
私も節分の恵方撒きと、土用丑の日のかば焼きは、ナンセンスな慣習の代表だと思っています。
正月のおせちも、あまりまともには付き合わず、せいぜいお雑煮ぐらいですね。
投稿: tak | 2018年6月 5日 19:09