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2018年6月27日

滑舌の悪い人に、2種類ある ・・・ 一音一拍の大切さ

世の中には滑舌の悪い人というのがいる。最近はそれを「カミラー」なんていうらしいが、滑舌の悪い人がすべて「カンじゃう」ってわけじゃない。滑舌の悪い人は、2種類に大別される。やたら饒舌にまくし立てるのに、結局何を言っているのかわからない人というのも多いのだ。

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上の画像の右上の人(名前は知らない)のように、「降水確率」を「こうしゅいかくりちゅ」なんて言っちゃうのは、まだいい。そう言われれば大抵「これは『降水確率』と言ってるつもりなんだろうな」とわかる。わからない方がおかしい。

困るのは、やたら早口に「母音抜き」の発音でまくしたてる人だ。最近よく言われるのは「過失致死」という言葉の発音である。母音を入れて「一音一拍」の原則を守ってくれさえすれば、たとえ「かしちゅちし」なんてことになっても、話の前後から大抵「過失致死」なんだろうと想像がつく。

しかし一音一拍の原則を無視して母音を抜き、ローマ字で表記すると "kshtzush" (フツーの発音は "kashtsuchishi") という発音をされてしまうと、「は?」と聞き返してしまうことになるだろう。当人の脳内には「過失致死」という四文字があるのだろうが、敢えてカタカナで書くと「クシツシ」(実際の発音は、「ツ」以外がすべて「息」だけの無声音)としか聞こえない。

最近は結構なインテリに「コロヌケーがティセッ」と言われて面食らったことがある。当人はどうやら「心のケアが大切」と言ったつもりらしいのだ。いずれにしてもこの人、「心」という言葉をまともに「ココロ」と発音できずに、必ず「コロ」としか言わない。同様に「朝日新聞」のことは「アッスィ」としか言わず、「法則」は「ホスク」(「スク」の部分は無声音)になる。

で、何しろ早口なので、半分は何を言っているのかわからない。その度に聞き返すのもあまり度々のことになってしまうので、要するにまともに聞くのが嫌になる。強いて言えば、こちらも想像力を駆使すれば何とか話の内容を理解できるのだが、ずっと想像力を駆使しまくるのも疲れるので、すぐに上の空になる。当人は必死にまくし立てても、その「伝えようとする努力」のほとんどが空しいものになってしまうのだ。

こうした人に「ゆっくり落ちついてしゃべるように」とアドバイスしても、「リズム感がメチャクチャの『母音抜き』でしゃべるだけ」になってしまうので、ますます疲れる。よほど「一音一拍センス」がないようで、こればかりは「体質」なのだろう。鉄棒でどうしても逆上がりができないようなものだ。10日間ぐらい合宿して専門的矯正トレーニングを受ければ、少しはマシになるかもしれないが。

というわけで、彼はコミュニケーション面でかなり損をしているのだが、当人はそれには全く気付いていない。たまに「私は、早口すぎるのかなあ」なんて言い出すのだが、それは大きな問題ではなく、「一音一拍」さえ守ってくれれば、相当な早口でも通じるものなのだ。黒柳徹子さんを想起すればわかる。

私は昔、アナウンスの修行をしたから。「裏の竹垣に竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけたのです」ぐらいは、ものすごい早口で言えるのだが、一音一拍センスのない人は「裏のテケキにトゥキトゥクットゥヌハ……」みたいになってしまって、それでも当人だけはちゃんと言えたつもりになっている。

発音機能だけでなく、自分の発音を認識する「モニター機能」にも問題があるようで、むしろ、この「モニター機能障害」の方が、欠陥のより大きな原因かもしれない。自分の発音をきちんとモニターできていたら、彼らは自分で気持ち悪くなるはずじゃないか。

さらに最悪なのは、一音一拍を守らず、さらによくカンじゃうって人である。ちょっと話を聞くだけで疲れまくるから、申し訳ないけど、まともな会話をしたいとも思わなくなる。

 

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コメント

ラジオなんかでもいますよね、いっぱいしゃべろうとして、ギャーギャー聞き苦しいひと。その間に痙攣したような笑い声が入るんだなこれが。
「あ~も~うるさい!だまれ!」ってスイッチを切っちゃったりします(笑)。
そんなにいっぱいしゃべらなくてもいいから、言葉を選んで、ゆっくりはっきり話してくれればいいのに。せっかちな日本人、いやですね(^_^)

投稿: はだかでぶうさぎ | 2018年6月27日 23:14

最近、「草食男子」という言葉を生み出した深澤さんというおばちゃんにはまってます。
この人、良くテレビに登場しますがとにかく滑舌が悪い。
真剣に聞いても何を言ってるのか分からないことがある。
隣にいる人が「エッ」と聞き返すこともしばしば。
早口で「ちょっと」を「ちょっ」としか言わない。「たとえば」は「たとば」。
その上、他のコメンテーターを押しのけてやたら喋る。

自分は、滑舌が悪いという認識が全くないようですね。
どこかの大学の特任教授をやってるらしいが、あれでは学生がかわいそう。

もう一人、早朝五時台のラジオ番組で、東大の教授だったかが、最近のニュースについて根掘り葉掘り解説するのですが、早口で怒りながら話すので聞き取り難く「この人誰に向かって何を怒ってるんだろう」となり聞く気が失せてしまいます。
聞き手が、必死に「へえっ」「ほうっ」「なるほど」なんて相槌を打っているのはちょっと滑稽でした。
当然、局を変えました。

この人たちは自身の出演した番組を視聴てないのかなあ。


投稿: ハマッコー | 2018年6月28日 02:51

はだかでぶうさぎ さん:

>言葉を選んで、ゆっくりはっきり話してくれればいいのに。

そもそも 「言葉を選ぶ」 というセンスがないので、無意識の要請から 「質より量」 とばかりに必死に一杯しゃべろうとして、あんなことになっているのだと理解してます。

投稿: tak | 2018年6月28日 10:16

ハマッコー さん:

"「草食男子」という言葉を生み出した深澤さんというおばちゃん" のラジオでのしゃべりを、YouTube で聴いてみました。

辛うじて何言ってるかわかりますね。ただ、ラジオだからと意識してしゃべっているのでしょうから、普段の会話だとしんどいかも。

また、音があんまり鮮明じゃない小さなラジオやカーラジオだと、かなり聞き取りにくくなるだろうなと思いました。

顔写真をみると、発音関連の口の周りとか顎とかの筋肉が、たるんでるんだろうなあとわかります。脳からそのあたりの筋肉への情報伝達が悪いんでしょうね。

投稿: tak | 2018年6月28日 10:23

昨日書き忘れましたが、この方(国会議員)の滑舌も相当悪く何を言ってるのか聞き取りにくい。
https://www.youtube.com/watch?v=3TnW-67pOA8&t=69s
質問がやたら長くて早口で聞いててイライラします。
小泉議員は聞き取れないからもう一回言ってくれと言ってます。(8:15辺りからお聞きください)
それに対して何が早口だと反論しています。
他の議員もイラついてます。
自覚がないですね。口跡が悪いのは政治家として相当なマイナス点ですね。

投稿: ハマッコー | 2018年6月28日 22:35

ハマッコー さん:

この小西議員は、まさに一音一拍センスのない人ですね。

のっけから 「ケーイン」 って何のことかと思ったら、NHK の 「経営委員」 のことのようだと気付きました。

さらに途中から興奮しすぎたか、「東北地方」 が 「トークチホー」 になり、それ以後は所々、本当に何を言っているのかわかりません。

しかも、早すぎてわからないのではないですね。「トークチホー」 はそのままゆっくりしゃべっても、「ト〜〜クチホ〜〜」 になるだけで、わからないものはわからないです。

辛うじて 「ミーシュギ」 は 「民主主義」 と言ってるつもりなんだろうなとは想像がつきますが。

投稿: tak | 2018年6月28日 23:09

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