« アスペルガーはアスペルガーなりに | トップページ | 動物性の食材を使っていないラーメン »

2018年6月12日

森田童子が女性シンガーだったことすら知らなかったよ

カーラジオで「森田童子が死んでいた」というニュースを聞き、「はて、森田童子ってどんな歌を歌ってたんだっけ?」と思ったが、全然思い出せない。サングラスをかけたロングヘアーの白黒写真のイメージだけはおぼろに浮かぶが、今イチはっきりとはせず、どうも私の守備範囲から微妙に外れていたようだ。

180612

聞けば 66歳だったというから、来月でその年になる私と、もろに同世代である。西荻ロフトで歌っていたというし、私も荻窪ロフトには出損なったが(その間の事情については、こちら を参照のこと)、70年代の西荻ロフトには何度か出演していたのだから、直接会っていてもおかしくないくらいである。

ところが今日初めて YouTube で歌を聴いてみて、「あれ、森田童子って女性シンガーだったのか?」なんて初めて知ったぐらいだから、その縁のなさ加減は半端じゃない。

いやはや、おぼろに浮かぶ写真はユニセックス調だし、歌のタイトルも『さよなら ぼくの ともだち』とか『ぼくたちの失敗』とか言うから、てっきり男性シンガーかと思っていたよ。日本の歌には「クロスジェンダー・パフォーマンス」というのがあるから、本当にややこしい。

カーラジオで聞いていると、その死のニュースに「ショックだった」とコメントする人が少なくなく、「一時代が終わった気がする」なんてことを言う人までいる。こうなると、そんなにまで影響力のあったらしい同世代シンガーに、自分はどうしてこんなにまで縁がなかったのかということの方に興味が高まった。

つらつら考えてみると、70年代に 20代を過ごしていた私は、あの時代の 「閉塞感」 がたまらなく嫌いだったのである。ただでさえ「団塊の世代」の連中が荒らしまくった世の中の後始末ばかりさせられがちな「団塊の世代の尻尾」世代として(その間の事情については、こちら を参照のこと) 、そんな「閉塞感」をもろに自分のパフォーマンスのテーマにしようとは、決して思わなかったのである。

ところが、森田童子というシンガーソングライターは、そうした「団塊の世代の尻尾の閉塞感」をぽつりぽつりと呟くように歌っているらしい。私としては「ああ、それは聞きたくないわ!」と思い、意識的、無意識的に避けようとしていたというのは、十分にあり得る話である。そしてその歌を聴いていたのは、当の「団塊の世代」と、彼らのやりたい放題の後始末をしなくて済んでいた、もっと若い世代なんじゃあるまいか。

というわけで、私は YouTube で彼女の細い声で呟くような歌を、長くは聞き続けることができず、早々にずらかったのだった。

 

|

« アスペルガーはアスペルガーなりに | トップページ | 動物性の食材を使っていないラーメン »

音楽」カテゴリの記事

コメント

あぁ、なんとなくわかるような…気がします。「すごい心に響く」か「聞きたくな~い!」かどちらか、みたいな。
ちなみに私はフォーククルセダーズあたりから色々聞いてますが、このかたのは「なんかよくわからな~い」
波長が合わなかったみたいです。

投稿: 萩原水音(ハダカデブウサギ) | 2018年6月12日 23:16

森田童子という歌手がいたのを知ったのは五年ほど前です。その読み方も分らず調べたらそのまま読めばよいと分かったくらいです。

その風貌はまさに70年代そのもので懐かしさも感じるが、気恥ずかしさも覚えます。引退後はどこで何をしているかも分らず謎めいた人物だったようですね。

歌は聴いてると確かに途中でもういいよってなってしまいますね。70年代の赤軍派のあさま山荘事件、彼らの「総括」という言葉、三菱銀行北畠支店の強盗立てこもり事件、京都の街中をヘルメットを被った学生が闊歩していたことなどが思い出されてしまいます。

見事にあの時代を歌い上げた歌手であることは間違いないです。

今日のTAKさんの話の核心部分がここに書かれています。
http://agora-web.jp/archives/2033165.html

投稿: ハマッコー | 2018年6月13日 18:36

萩原水音(ハダカデブウサギ) さん:

>「すごい心に響く」か「聞きたくな~い!」かどちらか、みたいな。

言い得て妙 (^o^)

私も波長が合わないみたいです。否定はしないけど、付き合いたくはないという感じ。

投稿: tak | 2018年6月13日 20:30

ハマッコー さん:

>歌は聴いてると確かに途中でもういいよってなってしまいますね。

私の場合は、もう、一瞬にして 「もういいよ」 ですね ^^;)

リンク先に飛んでみましたが、好きな人は好きなんだなあという感じです。

投稿: tak | 2018年6月13日 20:32

あー
好きな人は好き、全くこのとおりなんです
詩も曲もとにかくすべて好きなんです
でも人に勧めるとか考えたこともない
いつまでも聴いていられるんです

投稿: あああ | 2018年6月14日 23:33

追伸

ちなみにジョーン・バエズとかジョニ・ミッチェル
なんかはどう思われますか

投稿: あああ | 2018年6月14日 23:45

あああ さん:

なるほどね。

ジョーン・バエズは、ちょっと前のパイオニアと思っていて、アルバムは 1枚も持っていません、ジョニ・ミッチェルは、アルバムを 3枚もっているぐらいには聴いています。

投稿: tak | 2018年6月15日 09:48

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 森田童子が女性シンガーだったことすら知らなかったよ:

« アスペルガーはアスペルガーなりに | トップページ | 動物性の食材を使っていないラーメン »