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2018年6月22日

土用の丑の日にウナギの 「代用食」 を食べようという提案

私は 5年前に「当面、ウナギとマグロは食わないことにする」と宣言した。もっとも、出先であてがい扶持の弁当などで出てきてしまった場合には、捨てるのもナンだから仕方なく食うが、自分で選んで食うことはもう一生ないだろう。

180622

これはもちろん、絶滅危惧種であるウナギを絶滅から救いたいという意識からである。生物多様性を守ることは、我々人間自身の存続を守ることにもつながるから、単なるもの好きというわけではない。

そうした意識が、年間 2.7トン のウナギのかば焼きをムダに廃棄しているという日本の流通業界にもようやく出てきたようで、宅配大手のらでぃっしゅぼーやが、「土用の丑の日にウナギの『代用食』を食べようという提案を初めて行うことになった」というニュースが流れた(参照)。私からすれば「ようやくか!」と言いたいところだが、とりあえずは歓迎すべきことである。

土用丑の日に、「体のために」 ウナギを食べようなんていう話になっているが、今どきのウナギは「国産」の表示があってもまったく信用できない。供給がタイトな国産ウナギのかば焼きが、あんなに日本中のスーパーにずらりと並ぶはずがない。多くは中国産のクスリ浸けウナギと思う方がいい。

それでも、丑の日に我も我もとウナギのかば焼きを食べたがるというのは、そのこと自体がもはや「ビョーキ」である。日本人の多くが大喜びでビョーキになって、クスリ浸けのアヤシい食い物を食いたがっている。そろそろ目を覚ました方がいい。

タバコの場合は、嫌煙権が言われ始めて 40年以上経ち、最近になってようやく「タバコを吸うのはカッコ悪い」という意識がメジャーになってきた。ウナギの場合、「土用丑の日だからと言って、我も我もとウナギを食うのはカッコ悪い」という意識になるまでに、あとどのくらいかかることだろう。

まあ、もっと端的に言ってしまえば、土用丑の日に、絶滅危惧種のウナギを避けるために、その「代用食」を食おうというのも、まだ「半ビョーキ」という気もするのだが、それでもモロにウナギに群がって、挙げ句の果てに大量のフード・ロスを生じさせるよりはずっとマシということにしておこう。

 

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コメント

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まぁだいたいの季節に、飲食店(特に回転寿司屋)のお持ち帰りネタがありますけどねぇ。てての日ハハの日敬老の日など。

投稿: 乙痴庵 | 2018年6月22日 21:49

乙痴庵 さん:

そういえば、恵方巻の廃棄量もものすごいらしいですね。
どうして「売り切りご免」にしないものか。

投稿: tak | 2018年6月22日 22:10

まぁ一般大衆にとっての食文化というのはかように保守的・無意識的・気分的なんでありましょうな。私はここ十年おせちは食ったことがないし、うなぎ・恵方巻き・クリスマスケーキ・焼き肉なども同様です。食いたいと思わないもんね(←貧乏だからだろ。や~い貧乏人は麦を食え(≧ω≦))

投稿: 辺境の黒兎男爵 | 2018年6月22日 22:36

辺境の黒兎男爵 さん:

その食生活は正解です。

余計なモノを食うと、ろくなことがありません。食は質素な方がいいです。

投稿: tak | 2018年6月23日 00:03

恵方巻きが大量に廃棄されるのは、コンビニやスーパーの店舗が本部から「今年の販売目標を提出せよ」と言われたときに、「去年は売れ残ったから今年は10%減らそう」なんて数字を出したら「お前たちは売る気がない、工夫が足りない」とケチョンケチョンに言われるからです。

特定の日に特定のものを食べようなんてこんなバカな習慣からいつになったら抜け出せるのか。
特定の日に他人と同じものを食することで安心感を得られるのでしょうか。
金箔入りの恵方巻を見た時は絶句でした。

私はおせち料理は一切食べません。通常の食事です。その他も同様。とても気楽です。

投稿: ハマッコー | 2018年6月23日 03:50

ハマッコー さん:

なるほど、他人と同じでないと不安になる日本人気質と、悪しき商業主義の結合によるものでしたか。

それにしても馬鹿馬鹿しい。

ちなみに我が家では、お正月にはほんの 2日分ぐらいの 「おせち料理のようなもの」 を自作して食べます。たまに食う分には気分のせいか美味しく感じるので。

既製品を買ってきてまでは食いません。

投稿: tak | 2018年6月23日 23:28

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