« 縦書き引用符の不細工さを解決するには | トップページ | 梅雨入り翌日は上天気という、最近のお約束 »

2018年6月 6日

「ゴミ箱」を英語で何というかは、案外厄介な問題だ

いろいろな公共施設で、「ゴミ箱 Trush Box」 という表示を見かけるが、この "Trush Box" というのは「ゴミ箱」を直訳しただけの和製英語であるらしい。はたまた "Dust Box" というのもあり、ネットで調べたら、この名前のパンク・バンドまで見つかった(参照)。

180606上の写真は、左が私の書斎の「ゴミ箱」で、右側は、上が Windows 7 (Windows 8 以後はどんなんだか知らない)、下が Mac の 「ゴミ箱」 のアイコンである。どちらも日本語で「ゴミ箱」と称してはいるが、どうみても「箱 (box)」じゃないよね。全然ボクシーじゃない。

ちなみに、元々の英語では、Windows の方は "Recycle bin" というらしい。削除してもすぐに復元できるということで、アイコンにもリサイクルマークを付けて強調しているのだろうが、だからと言ってそれに大きな意味があるとも思われない。

この方面の先駆者、Mac の方は "Trash Can" で、ずっと潔くもシンプルである。

それにしても、フツーの英語で「ゴミ箱」はなんと言うのかと考えてみると、そもそも「ゴミ箱一般」を指す「フツーの英語」って、ないんじゃないかという気がする。行った先々でいろいろな言い方があるから、郷に入っては郷に従うしかない。その意味では ”trush box" も、「日本のローカル英語」 なのだろう。

とりあえず Weblio に当たってみると、wastepaper basket, waste basket, circular file, waste-paper basket, wastebasket, garbage can, garbage box, rubbish bin, trash can, dust bin, dustbin など、いろいろな言い方が出てくる(参照)。

同じ「ゴミでも、waste, garbage, rubbish, trash, dust など、いろいろな言い方がある。"Bin" というのは「瓶」じゃなく、「容器」という意味で「かいばおけ」が語源らしい。

一概には言えないが、"garbage" は「生ゴミ」的なニュアンスで、"rubbish" と "Trash" は「乾いたゴミ、がらくた」のニュアンスが強いと思う。どうやら英国では "rubbish"、米国では "trash" が主流ということのようだ。とはいえあまり囚われずに、現地の言い方に従えばいいだけのことだろう。

ちなみに私が若い頃に勤めていた外資系のオフィスでは ”waste basket" が主流だったから、私も素直にそう言っていた。

こうしてみると英語って、たかが「ゴミ箱」を言うのにやたらと面倒なところがあって、案外厄介な言語である。

 

|

« 縦書き引用符の不細工さを解決するには | トップページ | 梅雨入り翌日は上天気という、最近のお約束 »

言葉」カテゴリの記事

コメント

あのぅ、「アンちゃん」という、やや有名人?で、福岡弁のアメリカのかた、で福岡の大学の准教授?のかたがこういうのとか、「和製英語」を研究されていますね。

何しろアンちゃん、ルックスが「ニューヨークのパンクス」って風情でバリ素敵ですよ!

投稿: 辺境の黒兎男爵 | 2018年6月 6日 23:10

ふと、蚊取線香についても、似通った疑問が生じました。

簡単な翻訳では「mosquito coil」となるそうですが、「anti-」をつけるべきとか、そもそもcoilには線香の意味を表してないなど、一筋縄ではいかない様です。
(なんとモスキートコイルなる楽団もいらっしゃる様で)

分別ゴミ箱には、「PITCH WASTE HERE」って書いてあります。

投稿: 乙痴庵 | 2018年6月 7日 17:24

辺境の黒兎男爵 さん:

「アンちゃん」 って、「若い兄ちゃん」 かと思ったら、"Anne ちゃん” なのね。なかなかイケてます。

「ブクマ」しちゃいました。(^o^)

投稿: tak | 2018年6月 7日 18:08

乙痴庵 さん:

「蚊取り線香」 って、多分日本独特のものでしょうから、"mosquito coil" でいいんじゃないでしょうかね。あるいは ”Kincho” でも OK みたいな (^o^)

「いや、西洋でも昔からこういうのを使ってて、英語では Anti-mosquito coil、フランス語では Anti-mos spirale と言いならわしてきて、そう言えば誰でも分かる」 とでも言うなら話は別ですが。

"PITCH WASTE HERE" は、スゴいですね ^^;)

方言で 「捨てる」 ことを 「投げる」 という地域もあるので、そっち方面からの発想なのかなあ。

あるいは、「狙いを定めて放り込め」 ってことなのか。

なんか、野球のいわゆる 「捨て球」 のことを "waste pitch" と言ったりするようですが、それとは無関係ですよね。

投稿: tak | 2018年6月 7日 18:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ゴミ箱」を英語で何というかは、案外厄介な問題だ:

« 縦書き引用符の不細工さを解決するには | トップページ | 梅雨入り翌日は上天気という、最近のお約束 »