縦書き引用符の不細工さを解決するには
Word には縦書き入力の機能があって、これこそが私が Mac でも MS Office を使っている最大の理由である。Apple の Office セットにある Pages というワープロ・ソフトには、残念なことに縦書き機能がないのだ。
日本の社会には縦書き文書を作るというニーズが根強くあって、例えばいろいろな団体の「〇〇会報」みたいな印刷物だと、まだまだ縦書きの方が半数以上だと思う。そのために、テキストボックスを駆使して段組で割り付けたページを作るという仕事がなくならないのだ。
ところで、縦書き文書を作っている人たちの間でも、「引用符」(ダブル・クォーテーションマーク)の縦書き表示に苦労している人がかなり多い。横書きの場合は「shift + 2」で、上図 ③ のようにきれいな表示になるが、縦書き入力でこれをやってしまうと、① のように、今イチ不細工なことになってしまう。
上図 ② のような、当たり前の表示にしたいと思っても、どう変換してもまともに変換されてくれない。どうしても ① になってしまうのである。これ、大抵の日本語入力ソフトで試しても、同様の結果になってしまうようだ。なかなかの困りものである。
これを解決するためには、Word だと次のように操作すればいい。
1. メニューバーの「挿入」をクリックし、表示される項目の中から「記号と特殊文字」を選択
2. 表示される「記号と特殊文字」ボックスの「記号と文字」タブを選択
3. 表示される一覧の中から「〝」 "MS明朝 0x0088 (Unicode 文字 301D)" を選択
4. 同様に 「〟」 ”MS明朝 0x0088 (Unicode 文字 301F)” を選択
5. 入力の度にこんな操作をするのは面倒だから、それぞれを単語登録しておく
この手順を踏めば、縦書き引用符の入力をする時でも不細工な体裁に悩まずに、上図 ② のような表示にできる。横書きの場合でも、④ のような表示の方がお好みの人もいるだろう。お試しいただきたい。
ちなみに、「〝 」と「〟」は、「ダブル・クォーテーションマーク」ではなく、「ダブル・ミニュート」と言い習わしているらしい。「ミニュート」の綴りは ”minute" で、英語の「ミニット」に他ならないが、この場合はどういうわけかフランス語読みを採用している。「ダブル」は英語読みだから、横文字の重箱読みである。
どういう事情でこんなことになったかまでは知らないが、まったくもってややこしいことである。
【6月 6日 追記】
改めて調べてみたところ、ダブル・ミニュートは多くの日本語入力システムで「かっこ」と入力して変換していくと出てくるとわかった。デフォルトの変換候補としてはかなり後の方になるが、一度確定してしまえば、次からは優先順位が上がるので楽になるだろう。
【2019年 6月 15日 追記】
このほど Apple の Pages でも縦書き表記が可能になった。(参照)
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