そんなに綺麗なオネーチャンのいる店で酒を飲みたいか
文科省の汚職事件が次々にニュースになっていて、とくに「現職幹部とコンサルティング会社の元役員が逮捕された汚職事件で、他にも複数の文科省幹部が東京地検特捜部から聴取」(参照)を受けているという件では、「お役人も浮世の沙汰がお好きなのだね」と思うばかりである。
こうした事件で「腹を立てる」というのは、私の感覚には合わない。私はそんなに絵に描いたような正義漢ではないので、とくに腹が立つというわけではなく、ただただ「他人の金で飲み食いするのって、そんなにまで楽しいかなあ」と、別世界のお話のように思われるだけなのである。
妻と一緒にクルマで出かけた時にラジオのニュースで「140万円の飲食接待」と聞き、妻は「そんなに高い食事って、どんなの?」なんて言うので、「メシ食っただけじゃなく、綺麗なオネーチャンの接待が多かったに決まってるじゃん」と答えた。
毎日新聞の記事によれば「銀座の高級クラブなどで頻繁に接待を受けていたとみられることが関係者への取材で明らかになった。接待は数十回に上っていたという」ということだ(参照)。やっぱりね。ただ、 本当に「数十回」なら 140万円で足りるわけがないから、どちらかの数字がおかしいのだろう。
で、個人的にはさっぱり理解できないのが、「そんなにまで、綺麗なオネーチャンのいる店で酒を飲みたいか」ということである。私も以前は某業界団体の事務局に勤めていたことがあるので、年に 1度の理事会総会なんかが済んだ後は、高級クラブなんかでの二次会に付き合わされたりしたが、はっきり言って、これが一番苦痛な仕事だった。
オッサンたちに付き合って嫌々ながらクラブに入り、席に座ると、ヒラヒラしたドレスを着たネーチャンがそばに座って、水割りなんか作りながら、いろいろ話しかけたりしてくる。ところが、こっちとしては全然興味のない話題(ゴルフとか、宝石とかね)しか振ってこないので、つまらないことこの上ない。「銀恋」のデュエットとかチークダンスなんて、死ぬほどイヤなので、ただひたすら早く帰りたいだけである。
たまにこっちの気配を察して、「こういうところにあまり興味ないの?」なんて聞いてくれるホステスもいなくはない。そんな場合にはこんな会話になる。
「悪いけど、全然興味ないんだよね」
「どんな話題がいいの?」
「いや、放っといてもらうのが一番ありがたい。いいから、向こうのオジサンたちをかまってあげてて」
まあ、オネーチャンとしても困ってしまう客だったろうが、こればかりはどうしようもない。
「本当にちゃんとしたクラブなら、客に合わせて文学論を語れるぐらいのホステスがいるものだ」なんて言う人もいるが、そんなオネーチャンに巡り会ったことなんて、一度もない。もしかしたら、川端和明容疑者(及びその他の何名か)の接待された高級クラブぐらいになると、そのくらいのホステスもいたのかなあ。でも文学論を語るのに、そんな大金を使う必要もなかろうよ。
というわけで、私としてはイヤでイヤでしょうがない「高級クラブ」で、文科省の「高級官僚」は、「数十回」も嬉々としてもてなされ、あぶない橋を渡ったのだね。現役の官僚なんだから、私より多少若いはずなのに、そんな連中が前時代のオッサンみたいな話に乗っかってたというのも、驚くばかりである。
いつの時代でも、趣味の悪いオッサンはいなくならないのかなあ。
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