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2018年7月25日

「骨壺で身代金」は、いくら中国でも通用しなかった

"中国で多発する“死者誘拐”の恐怖……他人の骨壺を掘り起こし「返してほしけりゃ金出しな」" というニュースがある。同じ内容を扱ったもので、"株で借金苦の中国人、骨壷を奪って「身代金」要求の顛末" という記事もある。

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どちらも、中国では伝統的に先祖の遺体や遺骨を大切にするので、墓地から骨壺を盗み出して「身代金」を要求するという事件まで生じたというトーンである。日本人とは比較にならないほどに遺骨を大切にする伝統文化というか、メンタリティが、この事件のベースにあるというのが前提のようだ。

「親の遺骨を盗まれた」なんていうのが知られたら、「親不孝者」のレッテルを貼られて世間に顔向けならないことになる。遺族としては、こっそり「身代金」を払ってでも取り戻さざるを得ない。

しかし、2つのニュースを読んだ限りでは、中国人がそこまで遺骨に執着しているという印象は残らないのだよね。

遺骨を盗まれ、身代金要求のメールが届いた遺族の反応は、いともドライに警察に届け出ただけだったのである。そして借金で首が回らなくなって犯行に及んでしまった犯人は、「メールに返信しない遺族たちにしびれを切らし、電話をかけて金銭を要求した」ため、あっさりと身元が割れ、逮捕されてしまった。

率直に言ってこのニュースから読み取れるのは、「遺骨に執着する中国の伝統文化」が、今では薄れてきているんじゃないかということだ。犯人は伝統的なメンタリティに期待しすぎてしまったようで、実際には「骨壺で身代金」なんていう犯罪モデルは、もはや通用しにくくなっていたということだ。

とはいえ、「中国の骨壺」で画像検索してみたら、上の写真のような豪華というか、贅沢というか、私なんかには思いも付かないようなものがどっさりヒットしたのであったよ。私の父の骨壺なんか、シンプルな素焼きだったのに。

もしかしたら犯人としては「遺骨の身代金」なんか要求するより、掘り出した豪華な骨壺を闇で売り払う方が、ずっと金になったかもしれない。

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