飲食店の半数以上が例外対象という「受動喫煙防止法」
「受動喫煙対策を強化する」という触れ込みなのに、中身はまったく不十分としか思われない「改正健康増進法」(いわゆる 「受動喫煙防止法」)というのが、昨日成立したそうだ。
この法律、一応「事務所や飲食店など多くの人が集まる施設は原則として屋内禁煙とし、違反者には罰則を適用する」という内容ではある。しかし問題は、笑っちゃうしかないような例外規定があることで、「飲食店のうち個人や中小企業が経営する客席面積が100平方メートル以下の既存店には例外を認め『喫煙可能』などと標識で示せば喫煙を認める」んだそうだ。
しかも例外対象となるのは「厚労省の推計では飲食店のうち約 55%」という。半数以上が例外対象なんてみっともない法案を、よくまあ恥ずかしげもなく通しちゃったものだよね。
「受動喫煙防止法を進める市民の会」の意見広告では、上の画像にあるように「自民党案では東京都内のレストラン等 85.7%、バー・居酒屋など 95%で喫煙可能」になるという。まあ実際には、東京都ではより厳しく規制する法案が既に成立していて、すべての飲食店が禁煙となるのでいいのだが。
国会でも当初は「全ての飲食店で禁煙」という案が出されていたのだが、自民党が反発してこんな修正案が通ってしまったもののようだ。自民党のオッサンたちには喫煙者が多いから、「たばこ産業や飲食業への配慮」を隠れ蓑にして、要するに「自分が吸えなくなるのはかなわん」というわがままを通したんだろう。
自民党のオッサンたちみたいな連中は、喫煙は「昔から続いてきた既得権」だと思っているのだろうが、きれいな空気を吸うのは「それ以上昔から続いてきた、より重要で基本的な既得権」である。この「より重要で基本的な既得権」が保証されない飲食店で食事をしようとは、私は思わない。
困るのは地方に出張した際に、昔からの中心街だと中小の飲食店ばかりで、タバコの煙が漂っている店が多いってことだ。郊外の幹線道路沿いに出れば、どこにでもある大手のチェーン店が多いから、面白くもなんともない代わりに、タバコの煙に悩まされないという点では安心である。ただ、そこまで行くにはクルマが必要だから、出張時はつらい。
願わくは、中小あるいは個人経営の飲食店でも、毅然として喫煙を認めないでいてもらいたいものである。そもそも「喫煙可」なんていう貼り紙を出すのは、自ら店のイメージを低下させることになるんじゃあるまいか。
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コメント
タバコの煙のあるところで飯を食うなんて考えられない、
他人の吐いた煙を吸いながら食事をするなんてありえない。
あれは本道に気分がわるい。
自民亭でタバコを吸えなくなるのが困るのかなあ。
投稿: ハマッコー | 2018年7月19日 11:03
自民所属のセンセイ方には、飲食店での自身の喫煙保持もあるでしょうし、支持してもらっているであろう中小飲食店の経営層からの突き上げもあるのでしょう。(だからと言って仕方ないとはトーテー思わない)
自身の他人のタバコの煙には寛容ってか単なるスルーな方に限って(?)、野焼きや焚き火や蚊取り線香の煙による「洗濯物への移染(正確な言葉はわかりません)」には、目くじら立てて大騒ぎするくせに。(あくまで個人の感想であり…以下略)
投稿: 乙痴庵 | 2018年7月19日 19:35
ハマッコー さん:
世の中の喫煙者の多くは、案外諦めと物わかりがいいという印象ですが、自民党のオッサンたちはよっぽどタバコが吸い続けたいみたいですね。
つまり、他人の苦痛に想いをいたせない人たちなんでしょうね。
自分の票田の利害は重要視するけど、そうでない人たちの苦痛はどうでもいいと。
投稿: tak | 2018年7月19日 20:20
乙痴庵 さん:
ほほう、そんな感じですかね。
結局 「勝手放題」 ってことですね ^^;)
投稿: tak | 2018年7月19日 20:22