« 「LGBT には『生産性』がない」という発言について | トップページ | 台風の変則ルートは、私のせいじゃないからね »

2018年7月27日

「洗濯物がたまってる」という、独身時代の心理的負担

先日、仲間内と雑談していて、朝方に目が覚めかけて、まだ頭の中が朦朧としている時というのは、時として何十年も前の自分にタイムスリップしている時があるという話題になった。

180727

そんな時というのは、昔のトラウマみたいなものがよみがえってきて、「やべぇ、あれ、どうなってたっけ?」と、一瞬パニックになりかかることがある。そしてしっかりと目が覚めて我を取り戻し、「ああ、あの時代はもうとっくに過ぎ去って、もう解決してたんだ」と、胸を撫で下ろしたりする。そんなのは自分だけかと思っていたら、「それ、俺もあるわ!」と、結構盛り上がってしまった。

話の発端は、友人の 1人の「俺、朝起きてまだ寝ぼけてる時、『やべ! 洗濯物がえらくたまっちゃってるわ!』と、アセりまくることが時々あるんだよね」という発言だった。「そんで、しっかり目が覚めて初めて、『ああ、そういえば俺、もう結婚してて、洗濯は妻がやってくれてるんだった』と気付いて、ホッとするんだよ」

彼の場合は、独身時代に自分で洗濯しなければならないことを、かなり負担に感じていたようだ。それに加えて、仕事が家電メーカー勤務で、主に洗濯機の開発を担当してきたというのが、そのコンプレックス心理に輪をかけてしまったらしいのである。

「ああ、そういうの、俺もあるわ」と、もう1人が言い出した。「営業の月報をまだ書いてないという夢でうなされるんだよね」というのである。彼は 40代で管理職になって、そんな細かな月報は書かなくてもよくなったのに、ずっとアセリまくる夢を見続けたという。「ちょっと前は、『ああ、俺、もう課長だから、そんなの書かなくてよくなったんだ』と安心してたんだけど、最近は 『ああ、俺、もう定年退職してるから、関係ないんだ』と気付くんだよね」

かなり身につまされる話である。こういうのは、自分が最も心理的負担と感じていたことが、夢の中でよみがえってしまうのだろう。

そして私の場合は、「やべ! 大学卒業の単位が足りない!」という強迫観念で、冷や汗かいて目を覚ますということがよくあった。私が大学に入学した 1971年というのは、まだ学園紛争が盛んな時代で、まともに授業が行われなかった。だから単位を取るのがとても変則的で、レポート提出で間に合わせる場合もあれば、少ない授業にギリギリ出席しなければならない場合もあったりで、なかなか大変だったのである。

それに加えて私は一時、大学というものに失望して、バイトと気ままな旅に明け暮れていた時期があって、ただでさえ出席日数が不足気味だったのである。その上、急に気が変わって学部を卒業して大学院に行ったりしたので、そのあたりの心理的葛藤があったわけだ。

そんなわけで、「単位が足りない!」と焦って目を覚まし、我を取り戻して「ああ、そういえば俺、とっくに卒業してたんだった」と胸を撫で下ろすことがしょっちゅうあった。まあ、さすがに最近はこんな夢は見なくなったが。

そしてこの種の話の中で一番共感を呼んだのが、最初に紹介した「洗濯トラウマ」の話だったのである。ちなみに私は、今でも洗濯を担当したりしているから、そのうちそんな夢でうなされるかもしれない。

 

|

« 「LGBT には『生産性』がない」という発言について | トップページ | 台風の変則ルートは、私のせいじゃないからね »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

私はのほほんと生きてきたので、記事のように夢で昔の自分にタイムスリップして慌てる、というのはないのですが、すっぽんぽんで平然と人前に出る(銭湯でではなく)、という夢はときどきあります。これって危ない兆候なんですかね。詳しいかた、分析キボンヌ(おいおい)

投稿: 下衆マリオ | 2018年7月27日 21:53

下衆マリオ さん:

それはなかなかおもしろい夢ですな (^o^)
どういうことなんだろう。

投稿: tak | 2018年7月27日 23:53

精神的に参っていたときなど、やはり不安からくる「現況確認の夢」ってのはよく見た記憶があります。

ただアタクシの場合は、「夢で焦って起きてホッとする」のではなく、「夢で安心して起きて…うそぉ」と言うダメージの大きいものでした。

夢の中で弁当を詰めて、なかなか良くできたと思って。
現実はそのあと目が覚めて、「唐揚げを半分に切ってお弁当サイズにして詰めた記憶」を持った状態で、お米を研ぐところから始めるんですよ。

精神科医にかかる直前の出来事、経験です。

投稿: 乙痴庵 | 2018年7月29日 19:15

乙痴庵 さん:

目が覚めて 「ああ、よかった!」 とホッとするのではなく、逆に 「ありゃ、まだやってなかったのか!」 となるのは、かなりアセりますね ^^;)

私も何度かそんな夢を見たことがありますが、できることなら、避けたいケースですね。

投稿: tak | 2018年7月29日 19:32

私も「単位が足りない」系で、「全然出席していない」「履修登録すらしていない」みたいなパターンが多いかな。実話なんですけどね…。

投稿: 山辺響 | 2018年7月30日 10:05

山辺響 さん:

おお、「気持ちよく分かる仲間」 の出現!

投稿: tak | 2018年7月30日 13:30

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「洗濯物がたまってる」という、独身時代の心理的負担:

« 「LGBT には『生産性』がない」という発言について | トップページ | 台風の変則ルートは、私のせいじゃないからね »