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2018年8月 1日

女性の校長はまだ少ない

先日、80歳を過ぎた女性で、以前は小学校の校長をしていたという人とお会いする機会があった。さすがに聡明な方で、話をしていても楽しかった。

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「20年以上前は、女性の校長先生がとても少なかったんじゃないですか?」と訊ねると、「いえね、当時はそんなに珍しいことじゃなくて、今よりも多いんじゃないかという印象だったんですよ。でもね、最近改めて統計資料を眺めてみたら、今の方がずっと多いのね。私の印象と全然違うので、びっくりしちゃったんですよ」とおっしゃる。

上に掲げたのは、舞田敏彦さんという教育社会学者がまとめられた「校長・学長のジェンダー指標」という表である。彼の「データ・エッセイ」というブログから転載させていただいた(参照)。確かに、彼女が校長を務めていた頃に近い 27年前の 1991年の小学校の女性校長は 4.93% だが、15年経った 2014年では 19.05% と、比率で言えば 4倍近くにまで増加している。

彼女が言うには、「当時は女性教員はある程度の年齢になると田舎の小さな小学校に転勤になる傾向があって、そのままそこで教頭、校長になるというケースが多かったんです。私も田舎の小学校で校長になったので、周囲を見回すと女性校長が多いという印象をもってしまったんでしょうね」 ということだった。

彼女の印象が事実だとしたら、当時は「二重の女性差別」があったわけだ。小学校全体での女性校長の割合が 5% にも達せず、しかもただでさえ少ない女性校長は、田舎の小さな小学校に集中していたというのだから、かなり気持ちの悪い話である。

このあたりの事情は、この 20年ほどでかなり改善されてきたようだし、小学校のあり方というのは都道府県によってかなり違う。だから一概には言えないだろうが、まだまだ「男女平等」にほど遠いのは確かなようだ。とくに中学校の女性校長の比率は、今世紀に入っても驚くほど低い。

 

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