« 飛騨国行きはお預けになってしまった | トップページ | 大塚家具は、末期的状態らしいので »

2018年8月 4日

「タンパク質を水に変える」という表現

はるぶーは㍇ヲタクで会うと案外いい人です という長いハンドルネームの方が、とてもおもしろい tweet をしておいでだ。「タンパク質を水に変える」という触れ込みのハンカチについて、その表示がおかしいと指摘しておられるのである。「花粉・汗・ニオイのタンパク質を水に変えるハンカチ」という、魔法使いみたいなフレーズだ。

180804

最初の tweet は「娘が、【タンパク質を水に変える】とかいうありがたいハンカチを旅行のお土産に高かったぞ! とか言って買ってきて、元素変換など触媒で可能なはずはなかろうで……」(参照)というもので、確かに、私のような文系人間でも「タンパク質を水に変える」なんてことは不可能だとわかる。できるのは、「タンパク質を水と何らかの物質に分解する」ことだろう。

問題はその次の tweet で、「元素変換ができると考える時点で、理系的センスゼロである。私大文系あたりに行くのが適当」とおっしゃっている(参照)のだが、はばかりながら、その「私大文系そのもの」出身の私でも、触媒を使って元素変換ができるなどとは、いくらなんでも考えない。だから 「汗のタンパク質を水に変える肌にやさしいハンカチ」という表示を見た時点で、ひっくり返りそうになった。

これは要するに、最低限の理系知識さえあれば「言葉として」こんな表現は成立しないという、文系要素の大きいマターなのだ。このハンカチを展開する川辺という会社(私は繊維畑のキャリアが長いから、この会社はよく知ってるんだけど)には、お願いだから「タンパク質を水と〇〇(例えば 「無臭物質」というのでもいいかも)に分解する」と言い換えていただきたいものなのである。「水に変える」では端折りすぎだ。

「よく JARO が見過ごしてるな」と思ったが、「かなり曖昧だけど、分解されて水ができるのは本当だから、まあいいんじゃないの」ってな感じになっちゃってるのかもしれない。知り合いの理系人間の多くも、「化学式じゃないんだし……」みたいなことで逃げがちだ。

逆に私のような文系人間の方が言葉の表現にこだわったりする。はるぶーさん(悪いけどハンドル省略)は理系のようだが、このあたりにこだわるだけ立派である。

で、最後はこんなオチ。はるぶーさんは続けて「そもそも、このハンカチの触媒が効き目があったとしても綺麗になるのはハンカチであって、その触媒をパパに吹きかけなければ意味がないのではないか?」(参照) と tweet しておられて、「そう言や、その通りだわな」と、私も納得してしまった。

販売元の川辺としては「これで汗を拭き取るので有効」というココロなんだろうが、ハンカチで全身の汗を拭き取るわけじゃないしね。

 

|

« 飛騨国行きはお預けになってしまった | トップページ | 大塚家具は、末期的状態らしいので »

言葉」カテゴリの記事

コメント

う~ん、的外れなコピーというしかないですね。これじゃユーザーはわかりませんよね。せめて「臭いを水に変える」ならね。こういうのって、社内で課長とかが「まてまて、おれがコピーを考える」とか言って考えて、「できたで。どや?だれか文句ある?」とか言って決まるんですかね。やれやれ。

投稿: きりぎりすちゃん | 2018年8月 4日 21:44

そういえばちょっと前「花粉を水に変えるマスク」ってのもありましたね。あれも実際に花粉を乗っけてみても全然溶けないとのことで(当たり前)盛大に批判されてたように記憶してますが。
だいたい「タンパク質を水に変える肌にやさしいハンカチ」といいますけど、その肌は何で出来てると思ってるんでしょうね。誇大広告だからいいようなものの、万一本当だったら全然優しくない。

投稿: 柘榴 | 2018年8月 5日 02:58

きりぎりすちゃん さん:

「臭いを水に変える」 では、ますますツッコミどころ満載の表現になってしまいますよ。「臭い水になるのか?」 とか。

こうしたコピーを決めるのは、いろいろなケースがあります。広告代理店に丸投げしたり、社内の専門部署が考えたり、営業担当者がテキトーに考えたり、あるいはワンマンのエラいさんが 「これで行け!」 と言い出したり。

いずれにしても、この 「ハイドロ銀チタン」 という触媒を使った製品がいずれも 「水に変える」 という表現をしているようなので、かなり元の段階で問題があるのかなと思います。

ちなみにこの触媒使用を提唱した 岡崎成実 さんという方の論文では、さすがに 「タンパク質を水に変える」 という表現はしていないようなので、それ以後の段階がアヤシいですね。

http://jssm.umin.jp/report/no34-1/34-1-06.pdf

プロモーションを任された代理店が 「えーい、言っちまえ!」 ということで突っ走ってしまったのかもしれません。いずれにしても、岡崎成美さんは、この表現でプロモーションされ始めた時点で 「おいおい、ちょっと待った」 とストップをかけるべきでしたね。

そうされなかったということは、とりもなおさず、この触媒の効果自体も疑われるという結果を招いています。なにしろ、印象論としても 「アヤシすぎ」 ということになりますからね。

投稿: tak | 2018年8月 5日 08:27

柘榴 さん:

私も花粉症で悩んでますが、そんなマスクがあったとか、盛大に批判されたとかいうのは、この記事を書くまで知りませんでした。

確かに肌もタンパク質ですから、それを分解して水にされてしまったら、エラいことですね ^^;)

この触媒の提唱者である岡崎成美さんの論文では、「雑菌、ニオイ、ウィルス、カビ、その他有機化合物」 を吸着して、「H2O と Co2」 に分解するということになっていますが、これは素人でも 「アヤシ過ぎ!」 と直感します (^o^)

http://jssm.umin.jp/report/no34-1/34-1-06.pdf

投稿: tak | 2018年8月 5日 08:42

コメント追記です。

きりぎりすちゃん さんへのレスで、

"この触媒使用を提唱した 岡崎成実 さんという方の論文では、さすがに 「タンパク質を水に変える」 という表現はしていない"

と書いてしまいましたが、その後にもうちょっと調べたら、DR.C 医薬という会社 (岡崎氏自身が社長を務めてるみたい) のサイトで、当の岡崎氏自身が 「タンパク質を水に変える技術を研究、開発」 なんて書いてますね。

なんだ、こんなアヤシいこと言い出したのは、開発者自身だったのかというお笑い (^o^)

https://drciyaku.jp/company/history/

投稿: tak | 2018年8月 5日 08:46

マイナスイオンとか、水素水とか、定期的に出てきますね。

投稿: らむね | 2018年8月 5日 19:44

らむね さん:

出てきますね ^^;)

あの類いの流れと思っていればいいんでしょうね。

投稿: tak | 2018年8月 5日 21:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「タンパク質を水に変える」という表現:

« 飛騨国行きはお預けになってしまった | トップページ | 大塚家具は、末期的状態らしいので »