大塚家具は、末期的状態らしいので
朝日新聞が「大塚家具、日曜なのに店内ガラガラで末期状態」と伝えている(参照)。この記事は "大塚社長の手腕で不死鳥のように復活を果たすのか、それとも「倒産」に向かって進んでしまうのか。同社株主たちの眠れぬ夜は続きそうである" と結ばれている。
大塚家具といえば、今どき誰も買わない「婚礼三点セット」とか「桐箪笥」みたいな家具を売る企業だとばかり思っていたが、画像検索してみると、上の写真ようにかなり「お洒落な」ソファみたいなものばかりで、いくら何でも婚礼三点セットなどは見当たらない。売っていないわけじゃないのだろうが、少なくとも主力商品の座はとっくに明け渡しているようだ。
そうなると会社のイメージが、現状についてきていないのだとわかる。大方の消費者は、「店に行っても、どうせ『昭和の世界』なんでしょ」と思っているから、当然の如く客足も落ちる。はっきり言えば、「大塚家具」という社名が悪さをしているのだ。「昔の『大塚家具』じゃない。今どきの家具もちゃんと置いてる」とわかれば、少しは客足も伸びるだろう。
しかし、イメージチェンジに成功したとしても、私のような消費者は決して足を運ばない。価格帯が高すぎて手が出ないと知っているからである。セレブな部屋にセレブなソファやテーブルを並べたいなんて、まったく思っていないから、いくら「お洒落な家具もありますよ」と言われても、私は大塚家具のターゲットではないのだ。
朝日新聞の記事も、 「隣接のニトリは客が溢れ返り熱気充満」と、大衆価格のマーケットとは市場規模が全然違っていることを伝える。一点当たりの平均単価はニトリの製品より 10倍ぐらい高いのだろうが、客数が圧倒的に少ないので、イメージ的にどんどんジリ貧になる。
というわけで、大塚家具のようなビジネスモデルは、既に歴史的使命を終わりかけているのだろう。倒産しないで存続するためには、外聞を気にせずに、規模を思いっきり縮小しなければならない。
朝日新聞の記者の視点では、「不死鳥のような復活か、さもなくば倒産か」という二者択一の運命しかないような書き方になっているが、「不死鳥のような復活」なんて求めたら絶対に潰れる。ここは、「近頃はなかなか話題にならないけど、どっこい、高収益モデルとして生き延びてます」みたいな企業になるしかないではないか。
いずれにせよまったく思い入れのない企業だから、どうなっても知ったことじゃないのだが。
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コメント
不死鳥は燃え尽きた灰のなかから復活するんだったような気がします(笑)
投稿: 山辺響 | 2018年8月 7日 10:53
山辺響 さん:
そういえば、不死鳥も生き代わり死に変わりするんでしたね。
大塚家具も一度倒産するしかないのかもしれませんね ^^;)
投稿: tak | 2018年8月 7日 20:15