「てさかはちゃ」という魔法の呪文
私が家から出かける時に、いつも唱える魔法の呪文がある。「てさかはちゃ」という呪文だ。これはオカルト的唱え言ではなく、忘れ物をしないための具体的な呪文である。
これは出かける際の持ち物などの頭文字で、意味は以下のようになる。
て: 定期入れ
さ: 財布
か: 鍵 (キーホルダー)
は: ハンカチ
ちゃ: チャック (ズボンのチャックが閉じてあることを確認)
最後の「ちゃ」がご愛敬だが、私のようなうっかり者には、この確認が欠かせない。この呪文は妻の実家から伝授されたもので、既に亡くなった義母が義父の出勤前に「あなた、『てさかはちゃ』した?」なんて言っていたもののようだ。ということは、義父もかなりのうっかり者なのか?
これは私が受け継いでからしばらくすると、後ろにもっといろいろなものがプラスされ、一時は「てさかはちゃ、とてぃめめてけ」なんて、長ったらしい唱え言になっていた。新たにくっついたのは、「と(腕時計)、てぃ(ティッシュペーパー)、め(眼鏡)、め(名刺入れ)、て(手帳)、け(ケータイ)」である。
いやはや、勤め人をしていた頃は結構な数の必需品を持ち歩いていたものだと、今振り返って我ながら驚く。そして時が移った最近は、付け足された後半が消えて、オリジナルに戻ったというわけだ。
オリジナルに戻ったのは、次の事情による。
腕時計は今や Apple Watch になって、iPhone との連携が不可欠であり、iPhone はもう、手から離れないぐらいの必需品なので、この 2つのアイテムは、わざわざ呪文で唱えなくても忘れようがなくなった。さらにティッシュペーパーも、鼻のアレルギーが昔ほどひどくなくなったので、必需品というほどでもなくなった。
眼鏡に関しては、老眼気味になり始めた昔はデスクワークの時だけに必要で、普段はかけなかったので、呪文にして唱えないと忘れがちだったが、今では常にかけているので忘れようがない。2つめの「め の名刺入れは、最近は名刺交換をあまりしなくなったためバッグの奥に入れっぱなしなので、これも忘れようがない。
さらにメモやスケジュール管理、住所録などはすべて iPhone で済ませているので、紙の手帳(システム手帳と "「超」 整理手帳" を長年使っていた)は持たなくなった。ケータイは iPhone になったので、前述の通り忘れる方が難しい。というわけで、私のポケットは昔ほど膨らまなくてよくなったのである。
さらに「定期入れ」というアイテムも、昔は文字通り「定期券」というものを入れていたのだが、今は Suica を iPhone に登録してあるので、「定期入れ」というより 「運転免許と各種メンバーカード入れ」 になってしまった。そのうち運転免許やその他のカードもすべて iPhone に登録できるようになったら、これも要らなくなる。
キャッシュレスが当たり前になってクレジットカードなども iPhone に登録するようになってしまえば、ご大層な財布も要らなくなるだろう。「立派な長財布を持つようでないと、金持ちになれないよ」なんて言う人もいるが、「金持ちになるより、身軽になる方がいい」と言うばかりである。
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コメント
面白い呪文ですね。
私は家を出るとき、ズボンのポケットを3カ所ポンポンポンと叩くのが習慣です。
その心は、鍵・財布・ケータイの確認ですね。
もしなければ上着のポケットなども確認して、そこにも無ければどこかに置きっぱなしというわけです。家だけでなく職場や外出先から出るときも、この習慣のおかげで助けられています。
腕時計は、私はプライベートでも外出時に腕時計が無いと気持ち悪いタチなので、仕事の時はなおさら忘れません。
それ以外は大抵カバンに入っていて、カバンを忘れることはさすがに無いでしょうw
投稿: らむね | 2018年9月14日 00:38
らむね さん:
チャックの確認もお忘れなく (^o^)
時刻は iPhone でもわかりますが、やっぱり腕時計は付けていたいですね。
投稿: tak | 2018年9月14日 22:23