ハロウィーンのバカ騒ぎと 1970年頃までのクリスマス
本来のハロウィーンは毎年 10月 31日なのだが、日本ではそのことはあまり認識されておらず、雑貨ショップに赤いカボチャが並ぶようになるとだんだん盛り上がって、10月の最終日曜日あたりで爆発するということになってしまったようだ。そして渋谷では爆発しすぎて大問題になっている。(参照)
私はこれまで、ハロウィーンについて何度か書いている。ざっと挙げてみよう。
ハロウィーンの換骨奪胎 (2007/10/29)
ハロウィーンが、どうやら日本に定着してしまったらしい (2014/10/31)
日本語ウェブページの 5件に 1件以上が "Hallo Ween" と誤記 (2015/10/12)
まだまだ多い "Hallo Ween" という誤記 (2016/10/31)
"Halloween" の語源は "Hallow E'en" であるらしい (2016/11/1)
こうしてみると、ハロウィーンは 10年ちょっと前ぐらいから日本に受け入れられ始め、「よくわからないけど、カボチャの飾りとコスプレのイベントらしい」ということで、近頃ではずいぶん盛り上がるようになった。ただ、本当の趣旨が理解されているとは到底言いがたい。
思い起こせば、クリスマスだってそうだった。戦後になってアメリカ文化がどっと入って来たついでにどんちゃん騒ぎするようになったが、1970年頃までは単にプレゼント商戦とバカ騒ぎの日という位置づけで、クリスマス・イブはいい年した大人がキャバレーで三角帽子をかぶって酔っ払いまくる夜ということになっていたと思う。
その後、クリスマスというものの本来の意義が説き起こされて、「決してバカ騒ぎする日ってわけじゃない」という理解が広がり、少しは落ちついて今の状態になっている。ハロウィーンも、日本におけるクリスマス定着の道筋を繰り返すのかもしれない。
とにかくキリスト教文化がちっとも定着していない土壌で、「なんでもいいから盛り上がっちゃう理由になるイベントの日」ということで採り入れられてしまったので、初めは「よくわからん」ということでしょうがないのだろう。そのうちにだんだん本当のあり方がわかるようになる。
それまでは、渋谷のど真ん中でトラックをぶっ倒してその上に乗っかって騒ぐなんて、「乗りすぎ」のケースも出てくる。そして数年経つと、「あの頃は、わけもわからず、ただ騒ぐだけだったよね」と、ちょっと悔悛の情を交えながら思い出すことになるのだろう。
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コメント
20年以上前、日本人交換留学生がハロウィンで銃殺されたことで定着が遅れたのと、その悲しい記憶が、本来のお祭りの意味を失わせたという見方はどうでしょうか?
投稿: ようちゃん2号 | 2018年10月30日 08:55
渋谷のチーマー(死語?)の兄ちゃんたちよぉ、日本人なら「新嘗祭」やろが!11月23日は何にも具を入れない握り飯を食べながら渋谷を歩けや!(* ̄ー ̄)
投稿: 萩原下衆兵衛 | 2018年10月30日 12:58
昔は、ハロウィンといったらブギーマンが出てくる映画という程度の認識しか無かったですねぇ (^^)
投稿: kyou-n | 2018年10月30日 16:08
ようちゃん2号 さん:
うぅむ、その事件についてはかなり忘れ去られてしまっているように思いますが、どうなんでしょうね。
忘れ去られていないとしても、それによって 「本来のお祭りの意味」 が失われるというのは、なんだか理窟がつながらないように思います。
投稿: tak | 2018年10月30日 17:54
萩原下衆兵衛 さん:
それが実現してしまったら、かなり異様かも ^^;)
投稿: tak | 2018年10月30日 17:55
kyou-n さん:
ブギーマンって、なんだかよくわからないんですよね。まあ、西洋の代表的幽霊ってことで済ませておけばいいんでしょうかね。
投稿: tak | 2018年10月30日 17:58
まぁ、「具が入ってない白い握り飯行進」はともかくw、私は今後いっさいの「西洋かぶれ的お祭りごと」には関わらないことを宣言します!(つうか、今までもいっさい関わってなくね?w)
投稿: 萩原下衆兵衛 | 2018年10月30日 18:17
萩原下衆兵衛 様:
それは一つの見識というものですね。
ただ、たまには関わって面白い話もありますんで、その際にはぜひこだわらずにどうぞ。
投稿: tak | 2018年10月30日 19:56
お菓子くれないといたずらしちゃうぞ!
って、いうのが、報酬くれないと罰を与えても当然!っていうようなところから暴動が起きているような気がして、投稿してしまてしまいました。
すみ ません。
投稿: ようちゃん2号 | 2018年10月31日 01:01
ようちゃん2号 さん:
うぅむ、案外言えてるのかもしれません。
ものすごく拡大解釈しちゃうと、日頃きちんと報われているような気がしないから、つい渋谷で暴れちゃうってことなのかも。欲求不満発散のイベントになってしまうとしたら残念です。
この時期に軽トラで渋谷を通る必要がある時は、お菓子やキャンディをどっさり用意して行かなければなりませんね (^o^)
投稿: tak | 2018年10月31日 09:30
10年くらい前でしたか、遊園地などでのイベントはともかくとして、ハロウィーンと言えば在京外国人が山手線の車両とかで浮かれ騒いで迷惑をかける、みたいな位置付けだったと思うのですが、ここ数年はむしろ彼らのなかでは「ハロウィーンには渋谷に近寄るな」と言い交わされていたりして(笑)
投稿: 山辺響 | 2018年11月 2日 14:16
恐れながら。
本文中の過去記事紹介で、「ハロウィーンの換骨奪胎」の日付が、「寛弘4年の記述」となっております。
一条天皇の御代だそうです。
(ほじくり誠に申し訳ございません)
投稿: 乙痴庵 | 2018年11月 2日 17:44
山辺響 さん:
一度盛り上がったイベントというのは、こうしたエクストリームのせいで廃れるんだろうなと、しみじみ思う今日この頃であります。
投稿: tak | 2018年11月 2日 21:48
乙痴庵 さん:
うわっ! 我ながらびっくり!! 平安時代でありますね ^^;)
2 と 1 をタイプし間違えたようです。ご指摘ありがとうございます。さっそく訂正しました。
投稿: tak | 2018年11月 2日 21:52