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2018年11月22日

茨城は「なんちゃって北海道」でイケてしまう

NIKKEI STYLE に、「茨城県が第1位 全国映画ロケ地ランキング」という記事がある。映画のロケ地を調べると、あの「都道府県魅力度ランキング」で 6年連続最下位(参照)という殿堂入りに値するほどの栄誉に輝く茨城県が、2位の沖縄県を 5倍以上の大差で引き離して 1位に輝いているのだ。

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茨城県がロケ地として人気なのは、首都圏から日帰り圏内という近さが最大の魅力となっているらしい。最近はロケ費用の節約が求められているので、近さというのは大切だ。ただしかし、それだけではない。茨城県は、「ロケ地のネタが豊富」なのだそうだ。記事には次のようにある。

例えば、つくば市の県内最大のショッピングモール 「つくばクレオスクエア」 内の一角は“原宿”として人気で、県内の牧場は “北海道” の自然を表現するシーンによく使われる。「つくばエクスプレスに一部地下の区間があり、“地下鉄” も撮れます」。

つまり、茨城にロケすれば、「なんちゃって原宿」でも「なんちゃって北海道」でも「なんちゃって地下鉄」でも、大抵の場面はイケちゃうというのである。あちこち大きな移動を繰り返さなくて済むのだ。

面白いのは、茨城県で北海道と思わせる景色が撮れてしまうという事実だ。例のランキングで 6年連続最下位の茨城県が、10年連続 1位の北海道になりすませちゃうのである。2位の京都はさすがに無理だが、3位の東京の原宿だってイケてしまうのだから、なかなかのものである。

ただ、いろいろな場所になりすませちゃうというのは、「決定的なオリジナリティ」を訴求できるイメージがないということでもある。それさえあれば、ちゃんと「茨城」を正面に出して画面を構成できる。どこか別の土地になりすまさなければならないことが、6年連続イメージ最下位という事実を哀しく物語る。

 

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コメント

茨城県と言えば、つくば学園研究都市(だったか)と干し芋と納豆、あと農産物の出荷額が多いということが思い浮かびますね。あっ、米は茨城産コシヒカリを買うことがが多いですね。
すみません、それくらいしか急には思い浮かびません。

関東北部3県は東京を中心とした大都市圏に近いので、興味を持たれることもなく最下位に顔を並べたんでしょうね。
(わが上州は45位から41位に陥落しましたが)

「なんちゃって原宿」 でも 「なんちゃって北海道」 でも 「なんちゃって地下鉄」 でもあれば立派なものです。
上州には三つともありませんから。

投稿: ハマッコー | 2018年11月23日 02:09

ハマッコー さん:

北関東 3県は、東京との距離が近いようで案外遠いので、都会的なイメージからはほど遠く、かといって自然を満喫できるエリアは、東北や九州に比べてスケールが小さく、売り物が少ないんでしょうね。

「なんちゃって〇〇」 で売るしかないのかもしれません。

東京から日帰りできちゃうってのも、実はマイナスポイントですね。中途半端な訴求しかできないです。

投稿: tak | 2018年11月23日 11:22

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