「鬱憤を晴らすためなら命も惜しくない」というメンタリティ
私は時々 「健康のためなら命も惜しくない」 なんていう類いの健康オタクのメンタリティを揶揄することがあるが、先日の中国バスの長江転落事件は、乗客の女性と運転手との小競り合いが原因だったようだ。乗客の女性は「鬱憤を晴らすためなら命も惜しくない」という勢いで運転手をぶん殴ったようなのである。(参照)
リンク先のニュース・ページには、運転手の頭をケータイでぶん殴る女性の姿が映った動画が貼り付けられてある。長江から引き揚げられたバスに残っていたビデオを復元したものだそうだ。殴られた運転手も相当ムカついたらしく、片手で払いのけたり殴り返したりしているうちにバスのコントロールを失って橋から転落したもののようだ。
この女性が運転手に殴りかかったのは、次のようないきさつかららしい。(朝日新聞の記事より引用)
中国国営中央テレビなどによると、降車場所を乗り過ごした女性がバスを止めて路上で下車させるよう運転手に要求。バス停以外では下車できないとし、走行を続ける運転手と口論になった。
復元された車載カメラの映像では、運転席の隣に立った女性が携帯電話で運転手の頭を殴り、運転手もハンドルから片手を離し女性をたたいて応戦。ハンドル制御ができなくなり、車内に悲鳴が上がる中、バスが対向車線を横切って橋の柵を破って落下する様子が映っていた
まあ、この女性は自分の目的地で下車できなかったことで相当に怒り心頭に発してしまったのだろう。「今すぐ停車して降ろせ」という要求がはねつけられたためにますます激高し、ケータイを持った手で運転手をぶん殴った。
自分の乗ったバスの運転手をぶん殴ったら、自分自身の命が危ない。そんなことはちょっと考えればわからないはずがない。しかしこの女性にとっては、自分の怒りを運転手にぶつけることが最優先事項となってしまい、それ以外のことはどうでもよくなった。つまり、「鬱憤を晴らすためなら、命も惜しくない」という状態になってしまったわけである。
そしてさらに悪いことに、ぶん殴られた運転手も相当にカッときてしまったようで、女性を払いのけるだけに留まらず、後ろ手にぶん殴ろうとしている。そんなことをしているうちに、バスはコントロールを失い、対向車線を斜めに突っ切って、長江に転落してしまった。
最初に手を出した方の女性としても、まさか運転手がバスの安全を放り出してまで応戦して来るとは予想していなかったのだろう。つまりそこにはかなりの「甘え」がある。しかし運転手は予想以上の勢いで応戦してきた。つまり頭に血が昇りやすい 2人の当事者のせいで、他の 13人の命もろとも失われてしまったのである。
とまあ、「激高体質」というのは、かなりアブないものと、臨場感溢れるビデオで確認されてしまったのである。
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