中国の砂嵐による黄砂被害と、米国のダスト・ボウル
中国で大規模な砂嵐が発生しているらしい(参照)。高さ 100m に達するという「砂の壁」が都市に迫る画像が衝撃的だ。
甘粛省ってどこにあるのだか知らないが、中国メディアによると、そこで 25日午後、大規模な砂嵐が発生、近いうちに 1400km 離れた北京に到達すると見られているという。ニュースで紹介された写真はネット上に投稿されたもので、上空 100m に達する砂嵐が捉えられている。
この砂嵐が北京に届いたら、当然ながらその東にある日本海を越えて日本にまで届く。過去にもそうしたことが何度かあった。私の故郷の山形県酒田市でも、洗濯物が黄色の砂で汚れてしまうなんてことが珍しくなかったから。
こうしたニュースを聞くと、1930年代の米国中西部で起きた「ダスト・ボウル」を想起してしまう。試しにこのリンク先の Wikipedia ページに飛んで、冒頭にある写真をご覧戴きたい。現代中国の写真との間で 「デジャブ感」 が湧き上がるだろう。
スタインベックは『怒りの葡萄』で、このダスト・ボウルを描いた。またウッディ・ガスリーの歌った一連のダスト・ボウルの歌は、現代のボブ・ディランに至るまで大きな影響力をもたらした。
米国のダスト・ボウルは、白人の入植者の大草原開拓による表土破壊が原因だった。大規模な現象としては、1930年代で一応の終結をみたが、中国の砂嵐は今後どんなことになるのだろう。
過去数十年間の中国の砂漠化の主原因は、過伐採、過放牧、過剰耕作など人為的なものが大きいとされている。中国北西部の農耕や牧畜は急激な人口増加に対応するため、長く行われてきた移動型から、定着型に変化している。乾燥地域での定着型農業や牧畜は土地への負荷が大きく、水不足によってさらに砂漠化が進行しやすくなる。
環境破壊の規模はさらに拡大され、被害はますます大きくなる一方に思われてしまう。
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コメント
困ります。困ります。
花粉アレルギーは、持ってるっちゃぁ持ってるけど、なんとかゴマカシの効く範囲で収まってます。
黄砂はねぇ…。
皆さんがお騒ぎになる前段階から、チリっと飛んできているであろう状態から、まぶたゴロゴロ、鼻水ドボドボし始めます。
ピーク時は、頭痛を伴う倦怠感に苛まれるので、ホント困ります。
投稿: 乙痴庵 | 2018年11月28日 16:39
乙痴庵 さん:
それはかなりの重症ですね。
私もまぶたゴロゴロには悩まされますが、頭痛を伴う倦怠感とまではいきません。お察しします。
ちなみに私は今、ブタクサのアレルギーが来てます。これはスギ花粉ほど広範囲には飛びませんが、近くにたくさん生えているところに行くと、鼻水が止まらず、頭もボウッとしてしまいます。
投稿: tak | 2018年11月28日 19:48