『マイ・ブルガリアン・ベイビー』というダサダサの歌
ほぼ半世紀にわたって年に何度か、ふと口をついて出てしまう超ダサイ歌がある。「ホイホイホイホイ、マイ・ブルガリアン・ベイビー、ホイホイホイホイ、マイ・ブルガリアン・ドール…」というテキトーなロックンロールで、タイトルは "My Bulgarian Baby" (「ブルガリアのかわいこちゃん」とでも訳しておこうか) という。
今日、ちょっとした気紛れで大した期待もせずにググってみたら、なんと見つかってしまったのが上に貼り付けたビデオだ(参照)。長年会っていなかったノー天気な友人に、街でばったり会ってしまったような感覚である。
1966年から 70年頃まで、ロバート・ヴォーン(ナポレオン・ソロ役)とデヴィッド・マッカラム(イリヤ・クリヤキン役)のコンビで放映された 「0011 ナポレオン・ソロ」(原題 "The Man from U.N.C.L.E.")というスパイ・ドラマは、日本でも一世を風靡した。そしてその派生シリーズに「0022 アンクルの女」(原題 "The Girl from U.N.C.L.E.")というのがある。
「0022 アンクルの女」の方のヒロイン、エイプリル・ダンサー役は、後に『荒野の七人』にも出演したステファニー・パワーズで、吹き替えは野際陽子。上のビデオのケージの中で踊っているのがエイプリルで、途中でボールペン型無線機で交信する相手は、ナポレオン・ソロの上司でもある、レオ・G・キャロル扮する ウェイバリー課長。ああ、懐かしいなあ。
この回のストーリーは、ビデオを見る限りではブルガリアかどこかの国の賓客を迎えるに当たっての警備のお話だったようで、彼女の相棒のマークは既に敵につかまっている。そんなことはすっかり忘れてしまっていたが、繰り返し流れていた、歓迎の歌という設定の割には脱力的なまでの迷曲 "My Bulgarian Baby" は、半世紀以上経った今でもしっかり覚えているのだから、不思議なものだ。
この動画のある YouTube のページには、ちょっと泣けてくるコメントが付いているので、その中から 3つほど紹介しておこう(当然ながら全部英語なので、ざっと翻訳しておく)
Jeanmarie Nuno : この歌は何年も私の心にこびりついていて、息子が赤ん坊の頃によく歌っていたんですが、ある日彼が『ママ、Bulgarian Baby の歌、歌って』と言い出しました。
Ari Meyers: これは私の父が歌っていた子守歌です。父は 16歳の頃にこれをテレビで見て心に残ったらしく、月日が経ってからは自分の子供たちに歌ってくれていたのでした。
Evan Stansbury: 本当にとんでもないお話だったけど、この妙にキャッチーな曲は、半世紀も経つというのに記憶にこびりついてます。
日本人の私でさえずっと耳についていて、つい口ずさんでしまうことがあるのだから、本国の米国ではそんなケースがもっとずっと多いのだろう。ダサイ歌詞とダサイ曲の絶妙の取り合わせというのは、ある種の麻薬である。
【念のため付け足し】
"My Bulgarian Baby" は、実際には 「マバゲァリアン・ベイビー」 と聞こえ、歌う時もそんな感じの方が英語の発音に近いので、その辺りよろしく。ただ、ちょっと真似して歌っているうちにはまっちゃって抜けられなくなっても、私は関知しない。
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