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2018年12月17日

酒田衆の「だんでろ言葉」

庄内弁で「〜だんでろ」と言えば、「〜でしょう」という意味である。言葉の成り立ちは、「〜なのであろう」が「〜だんであろう」に訛り、さらに音便化して短くなり「〜だんでろ」で固定化されたと思われる。かの有名な庄内のレストラン「アルケッチャーノ」の奥田シェフが銀座に開いた「ヤマガタ サンダンデロ」は、「山形産だんでろ」(山形産なんでしょ)ということらしい。

181217「んだんでろ」は「そうでしょ」、「んでねんでろ」は「そうじゃないでしょ」になる。そして「んだんでろの〜」と言えば、「そうだろうねえ」というニュアンスで、暖かめの共感を表す。

さらに 「〜だんでろ」 は疑問文としても使われる。「こんな、なんだんでろ?」は「これは何だろう?」だし、「どさ、いたんでろ?」は「どこに行ったんだろう?」という意味だ。この 2つは、私は今でも独り言としてよく呟いてしまう。故郷を離れて半世紀近く経っても、根っこの部分は庄内人なのだ。

ところが、「〜だんでろ」がとくによく使われるのは、庄内地方でも私の生まれた酒田周辺であるらしい。酒田の南隣、城下町の鶴岡では、これを「さがだしょの『だんでろこどば』 」(酒田衆の「だんでろ言葉」)なんて言うことがあると、最近知った。鶴岡では酒田ほどには頻繁に使われないらしいのだ。

何しろ鶴岡は庶民の町である酒田と違い、上品な城下町だから、言葉もかなりおっとりしている。だから「〜だんでろ」なんていう土着的すぎる言い回しは、あまり好まれないのかもしれない。

鶴岡の人は 「さかだしょのこどばは、はえぐでわがらね」(酒田衆の言葉は、速くてわからない)なんてよく言うが、私の感覚で言えば、つろーがしょ(鶴岡衆)の言葉はゆっくり過ぎて待ちきれず、聞いていてつい前のめりになってしまうほどだ。同じ庄内でも、気質はかなり違う。

というわけで、私は「だんでろ言葉」を酒田生まれのアイデンティティの一つとして大切に保持していきたいと思っているのである。

 

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