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2019年1月17日

東京オリンピックをきれいに洗っちゃえるか?

世間では今回のフランスでの竹田恒和 JOC 会長の起訴に関して、何だか降って湧いたような話みたいに言われているが、物覚えのいい人なら、2016年 5月頃から持ち上がっていたことを認識しているはずである。私もこのブログの 2016年 5月 17日付で、"「おもてなし」 には、やっぱり裏があった" というタイトルで書いている。

190117

あの頃、東京オリンピックのプレゼンに「お・も・て・な・し」なんて、自分だけでウケてる馬鹿馬鹿しいフレーズが使われ、ただでさえシラけていたのに、さらに「おもてなしの語源は裏表のないことです」なんてナンセンスな広告まで登場していた(参照)。そんな時に、「東京オリンピック招致委員会が、シンガポールのコンサルティング会社に約 2億 3000万円を支払っていた」という話が判明していたのである。

この事に関して私は、2016年の段階で次のように書いている。

ほかでもない。東京オリンピック招致委員会が、シンガポールのコンサルティング会社に約 2億 3000万円を支払っていたという件だ。招致委員会はこの支出は必要なコンサルティング料だったとシラを切っているが、この会社が国際陸連の前会長と関係が深かったというのだから、まあ、その使い道は賄賂だったのだろうね。

フランスの検察はヨーロッパの国の賄賂だったら、見逃していたかもしれない。しかしフランスに限らず、スポーツの世界の賄賂体質にはむかついていたのだから、アジアの非白人国の賄賂疑惑をこれ幸いと利用して、この世界の正常化を図ろうとしているんじゃないかと、私は踏んでいる。

で、今となっては「フランス、結構本気で取り組んでたんだね」と思っているわけだ。この件を日産の 「ゴーン問題の意趣返し」なんて報じている向きもあるが、2016年 5月は ゴーン逮捕の 1年半ぐらい前のことなんだから、この見方はかなり見当外れである。

とにかく、この「約 2億 3000万円」を支払ったシンガポールのコンサルティング会社 (実際にはペーパー・カンパニーだとか、さらに会社ですらないとかいう話もあるが) の名称が「ブラック・タイディングス」というのだから笑わせる。

どういうわけだか知らないが、「ヒンディー語でブラック・タイディングスとは、『闇マーケティング』や『黒いカネの洗浄』という意味がある」なんて、あの「東洋経済」が報じている(参照)が、これ、どう見ても英語の "Black Tidings" だよね。なんでまたよりによって「ヒンディー語」なんて持ち出さなければならないんだか、さっぱりわからない。

しかも ”Tiding" の原形と思われる ”Tide” というのは、元々は「潮流」とか「潮の干満」という意味だが、米国では有名な洗剤の商品名でもある。上の写真をご覧戴きたい。コストコに行けば、日本でもグロスでバンバン買っちゃえる。ヒンディー語なんて持ち出すまでもなく、あまりにも意味が露骨すぎだ。

というわけで、私としては東京オリンピックには始めからシラけ放題なのである。

 

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