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2019年1月20日

『ぐりとぐら』 って、御伽草子のオマージュだったんだね

「来年のことを言うと鬼が笑う」 と言われるが、我ながら気の早いことに、「来年は子年だから、ざっと年賀状用ネズミの画像の目星を付けとくか」 なんていう気になって、ちょっと画像検索してみたところ、おもしろいものが見つかった。子年になるのはずっと先だが、出し惜しみをせずにここで公開してしまおう。

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「ネズミ 浮世絵」のキーワードで画像検索をかけたところ、上に掲げた画像の上半分にある『野鼠の草紙』(「氏」 の下に 「巾」 と書くのは、「紙」 の異体字)というのが見つかった(参照)。一見してどこかで見たことがあると思ったら、そう、あの名作絵本『ぐりとぐら』の表紙とそっくりだったのである。

『野鼠の草紙』 というのは、「洞田創研究室 (Hajime Toda Laboratory)」というブログ・サイトの 2014年 8月 1日付の記事で紹介されているので、説明を少し引用させていただく。

今回ご紹介するのは、明治二年に刊行された『野鼠の草紙 (ノネズミノソウシ)』である。これは、合巻形式の草双紙であるが、文明開化の影響か、紙を横長に使った点に特徴がある。
なお、この 『野鼠の草紙』 の内容は 「根津の国のかくれ里に住む山鼠、小栗忠衛門と小倉屋忠吉が森で卵を見つけて “かすていら” を造る」 というたわいのないものであったが、それゆえに年少の子供に大評判となり、多くの続編が出たという。

『野鼠の草紙』というのは、明治 2年の刊行のようだが、現代の 『ぐりとぐら』 の方も、森の中で大きな卵を見つけ、それで大きな「カステラ」を作ったというストーリーが、まったく共通している。急にタイムトンネルを潜ったような気持ちになってしまうじゃないか。

室町時代から連綿と連なる古典文化の『御伽草子』 の一環として『鼠草子』というものがある。それは 「日本文化と今をつなぐ。Japaaan」 というサイトの "御伽草子 「鼠草子」 はネズミをとことん擬人化させた室町時代の物語" という項でばっちりと紹介されている

ということは、『ぐりとぐら』 って、『御伽草子』、とくに『鼠草紙』へのオマージュとして書かれたという意味合いもあったわけだね。世の中、よく調べてみるとなかなかおもしろい。

【1月 21日追記】

下のコメントをご覧になっていただけばおわかりのように、これはすっかり騙されてしまったようだ。

『野鼠の草紙』 の 「の」 の字が、完全に今のフォントであることに 「???」 という気はしていたのだが、そこにもっとこだわればよかったなあ。

 

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コメント

いつも楽しく拝読させていただいております。
御伽草子へのオマージュという点では、そのとおりという気もしますが、「野鼠の草子」にはやられました・・・71日ほど早かったのでは?

投稿: とも | 2019年1月21日 12:49

「野鼠の草子」→「野鼠の草紙」でした。すみません。
それにしても、クオリティ高いですね。

投稿: とも | 2019年1月21日 12:55

連投すみません。
アドレス欄に入れてリンクを貼ったつもりだったのですが。
https://www.excite.co.jp/news/article/E1411094763693/

投稿: とも | 2019年1月21日 12:58

「とも」さんが指摘されているとおり、これは……(笑)

「洞田創」は「とだ・はじめ」と読ませていますが、「ほらだ・つくる」の意かと。

投稿: 山辺響 | 2019年1月21日 13:39

とも さん:

うひゃあ!

こりゃ参った。4月 1日まで取っておくんだった。

投稿: tak | 2019年1月21日 18:18

山辺響 さん:

まさにその通りのようですね。すっかり体の力が抜けました。

東京都のバンクシー問題といい、呆然です ^^;)

投稿: tak | 2019年1月21日 18:19

小栗(お・ぐり)と小倉(お・ぐら)というところが上出来だと思います(^^)

投稿: 山辺響 | 2019年1月22日 10:47

山辺響 さん:

な〜るほど。読みが浅かった。猛反省です。

投稿: tak | 2019年1月22日 19:25

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