「ハンコのお辞儀」という都市伝説
「細かいところによく気がつく人」というのは、世間でほめられることが多いが、「どうでもいいところばかり気がつく人」というのはうっとうしい。そして厄介なことに、「細かいところ」と「どうでもいいところ」の境界線はかなり曖昧なのである。
"たった今、「請求書の判子がお辞儀していないのは失礼だ」 っていうカンカンに怒った電話がかかってきて......" という tweet が話題で、retweet がかなりの数にのぼっている(参照)。いかにもお辞儀してるように見える角度で捺印しろってことらしい。
「判子のお辞儀」以外にも、世間にはあっと驚くようなルールがあるらしく、"F銀行ではハシゴ判(回覧印を押す枠)のない回覧物に押印する場合「上席が押すラインを想定して下の方に押せ」と指導された" という tweet まである(参照)。「F銀行」って、合併する前の富士銀行かなあ。

一方で、「ハンコはまっすぐに押すもの」という正攻法的反論もあり、何が何だかわけがわからない。この手の話としては、昨年 11月 16日に ”「ノック 2回は、トイレの在室確認」 という都市伝説” という記事を書いていることを思い出した。さらには 「飲み会の翌日は参加者全員にお礼の挨拶回り 」とか「書類のホッチキスは右肩」なんてのもあるらしい(参照)が、横書き書類を右上で綴じられたら、読みにくくてしょうがないよね。
個人的な話をすれば、私がハンコを押すと幸か不幸か「お辞儀してる」みたいな角度になってしまうことが多い。これは捺印する前に「上下逆になってないよね」と確認してそのまま押しちゃうと、自然の結果として「ハンコのお辞儀」になってしまいやすいのだ。
下手すると私の押した判子をみて「tak さん、案外細かいところに気がつく人」なんて思う人がいるかもしれないが、実際には「上下逆にならないようにという程度しか気にしてない人」というのが正解である。
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