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2019年2月13日

桜田大臣の希有でナチュラルな役どころ

朝一番で仕事に出かけ、昼過ぎに帰宅途中でカーラジオのニュースを聞くと、「桜田大臣が発言撤回」云々なんていっている。ちなみに「云々」 は「でんでん」ではないのでよろしく(参照)。

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「桜田大臣って、あの人?」と記憶を辿ると、いかにも残念なオッサンの様子がありありと思い出された。昨年 11月の「哀れなオッサンを責め立てるしかない、政治の劣化」という記事を読んでいただければわかるが、私はこの人に関しては、単純に責め立てるというような気にはなれず、ただひたすら「残念なオッサン」と思うばかりである。

この人が今回責められているのは、例の水泳の池江璃花子選手の白血病報道に関して「がっかりしている」なんて口走っちゃったためらしい。「残念に思う」ぐらいの発言ならここまで責められなかっただろうに、いかにもこの人らしいプリミティブ過ぎるぶっちゃけ表現をしたのがヤバかったんだろう。

で、帰宅してから Google ニュースをのぞくと、やはり平和な日本らしく、この話がトップにきている。朝日新聞の記事の見出しは "桜田大臣、がっかり発言撤回 「今までの分も挽回したい」" というものだ。「今までの分も挽回したい」というのが何だか泣かせる。

発言撤回に関しては「配慮を欠いたと思うので」と述べたらしいが、この人が欠いているのは「配慮」以前に「語彙」である。単純な話だ。こんなに言葉の不自由な人が、国会劇場の「お笑い担当」みたいな役どころで政治家をやっていられるのだから、日本はのどかな国である。

この記事の末尾に「国民民主党の岡本充功氏に『なぜ失言が多いのか』と問われると、『私にはよくわかりません』と答えた」とあるのも、まさにこの人らしい。「語彙が足りなくて...」なんて本当のことを言ったら、変にシラける。

で、今回の「不適切発言」に関するニュースなんかは、ただひたすら「残念」というほかなく、そこから関連ニュースとしてリンクされている他の話の方が、実はずっと興味深い。こんな具合である。

桜田五輪相サポートへ職員増員 答弁不安 「異例の対応」 (2018年11月14日)

桜田義孝五輪相は 13日の閣議後会見で、自身をサポートする職員を増やしたと明らかにした。国会答弁に何度も詰まったり、間違えたりしたことへの対応とみられる。(中略)桜田氏は「国会関係の業務が増加したからだ」と説明するが、政府内には「桜田氏の不安定答弁を受けた異例の対応」(内閣官房幹部)と指摘する声がある。

桜田五輪相 「教室通ったがパソコン覚えるのやめた」 (2018年11月22日)

桜田義孝五輪相は 22日の衆院内閣委員会で、パソコンについて「教室に行ったが、忙しすぎて覚えるのはやめた。打てなくて不自由を感じたことは一回もない」と語った。この日はサイバーセキュリティ基本法改正案の質疑だったが、大半はインターネットの初歩的知識や桜田氏の資質に質問が集中し、議論は深まらなかった。

桜田義孝五輪相「首相目指すのやめる」根底に英語への劣等感 (2018年12月20日)

「首相を目指すのはやめる」-。桜田義孝五輪相が 20日、2020年東京五輪・パラリンピック大会に向けて多言語サービスを推進する東京都内のフォーラムで、突然こう表明する場面があった。理由をたどると、「言葉の壁」をめぐる劣等感があったようだ。

いやはや、「じゃあ、これまでは首相を目指していたのか!?」とツッコまれそうな発言だが、まあ、希有なまでにナチュラルな「ボケ担当」なんだから、いいか。ややこしい他意はなさそうだし。

こんな具合だから、"「桜田五輪相はシステムエラー」 海外メディアが皮肉次々" というのは、まさに「言えてる!」ということになる。まあ、オリンピック担当ということに関しては、本番までには別の人に交代するから、あまり問題ないよね。どうせ何もしないんだから。

 

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コメント

言葉の不自由さにおいては、安倍さんとそう変わらない。
せめて「驚いた」「治療に専念して欲しい」と言えばよかったのに。残念過ぎる御仁ですね。


投稿: ハマッコー | 2019年2月14日 00:14

ハマッコー さん:

なるほど、安倍さんとしては桜田さんを罷免したら 「でんでん」 と口走った自分にも跳ね返ってくるので、できないわけですね (^o^)

投稿: tak | 2019年2月14日 13:06

桜田大臣と言えば、

桜田五輪相、五輪憲章「読んでない」 目的も答えられず:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASM2F5FL5M2FULFA02B.html

映像は観ていないのですが「話には聞いているが」というのが何とも……。

やる気ゼロですなぁ。

投稿: 山辺響 | 2019年2月14日 13:33

山辺響 さん:

あの程度の人でも順繰りに 「大臣」 にしてあげなければいけないんですから、自民党も大変ですね。

桜田さんに関しては、どうせ何もしなくてもいい役どころなのだから、オリンピック本番のずっと前に据えておいた方がいいという判断なのかもしれませんね。どうせ本番の前に 1〜2度は内閣改造があるでしょうから、早めに 「お役御免」 となって、実害は最小限で済むと。

気の毒なのは、いろいろな質問を想定した答弁原稿を作って準備しておかなければならない事務方です。あまり難しい文章にするとスラスラとは読めないでしょうから、ボロが出ないようにことさら平易な言葉遣いで作らなければならないし。

投稿: tak | 2019年2月14日 18:12

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