72〜73歳ぐらいが 「年齢によるデジタル・デバイド」 の境目か
近頃、近所のスーパーやコンビニのコピー・サービスのコーナーがやたら混雑していると思ったら、なるほど、町内自治会の年度替わりが近付いてきて、総会などで使う資料のコピーの需要が多くなっているのだった。
で、コンビニなどのコピー機を使ってコピーしたりソートしたり、悪戦苦闘しているオッサンたちが目立つのである。彼らは見たところ大抵 70歳はとっくに過ぎたぐらいのようで、この辺りの年齢層というのは、会社勤めをしていた頃でも、コピーなんて作業は当然の如く若い女性社員に任せていたのだろう。
だから今になって町内自治会の役員なんか引き受けてしまうと、総会資料を作るのに自分でコピーとソートという作業をしなければならない。現役で務めていた頃はあまり馴染みのない作業だったようで、なかなか苦労している様子なのである。
いや、コピーとソートだけではない。彼らが仲間内で話している会話を聞くと、資料作成そのものにもかなり苦労しているようなのだ。こんな会話があちこちから聞こえてくる。
「いやはや、今どきは総会資料が手書きってわけにはいきませんからな」
「この年になって、パソコン打つのに苦労しなけりゃならんとは思いませんでしたね」
「私なんか、娘婿に入力してもらってますよ」
いやはや、舅の PC 入力係までしなければならないとは、娘婿も思ってなかっただろうね。
その昔、「デジタル・デバイド」という言葉が流行ったことがあった。本来の意味は「IT 機器を使いこなせる人とこなせない人の間に生じる社会的格差」ということだったはずだが、こうした会話を耳にしていると、この国ではどうやら 72〜73歳を境目として「年齢によるデジタル・デバイド」というものがあるような気がする。
もちろん、75歳とか 80歳とかで苦労せずに PC を使いこなしている人もいないではないが、どう見てもそれはかなりの少数派で、「PC は持ってるけど、あまり使わない」とか「メールを受け取るだけ」みたいな人が多く、そしてそのメールでも、「ガラケーの携帯メールのみ」というケースが多い。
まあ、70代半ばを過ぎてしまったら、PC を使わなければならないような業務とは縁遠くなるだろう。それにそのくらいの年になれば、PC ができないからといって社会的格差につながるなんてこともない。
しかしたまにこうして町内自治会みたいな仕事が回ってくると、ずいぶん苦労してしまうもののようなのだ。会社勤めの頃に、もう少し PC に馴染んでおけばよかったね。
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コメント
私の知人は83歳ですが、町内会の会長を長年務めています。
家の事をほったらかしで町内会の仕事ばっかりで奥さんは少々お冠だそうです。
PCを使うのはお手の物で辞めるに辞められないようです。
その人の息子は大手PCメーカからMSにヘッドハンティングされて幹部を務めているらしく、本人にとってはデジタルデバイドなんて無関係のようです。
稀有な例ですね。
投稿: ハマッコー | 2019年2月22日 07:15
ハマッコー さん:
それははまた、希有な例で、ボケてる暇がないですね (^o^)
投稿: tak | 2019年2月22日 13:21