他人の悪口は蜜の味かもしれないが
よく 「他人の不幸は蜜の味」 なんて言われるが、「人の悪口は蜜の味」というバージョンもある。世の中、人の悪口が大好きという人はいるもので、誰でも周囲に 1人や 2人は心当たりがあるようだ。
実は私の身近にも迷惑なのが 1人いる。これが 「うわさ話大好きオバサン」 とかいう類いではなく、70歳をとっくにすぎた 「じいさん」 なのである。
このじいさん、時々 「あんたのこと、こんなふうに悪く言ってる人もいるよ」 なんて、余計なことを言ってくることがある。その内容は聞くに値するようなまともな批判ではなく、単に好き嫌いに発するくだらない感情論でしかないのだが、さすがに聞いていい気持ちはしない。
さらに馬鹿馬鹿しいことに、「こんなことを言ってる人もいる」なんて第三者の言葉めかした言い方をしながら、実際には暇さえあれば陰でそんなふうに私の悪口をくどくど言いまくってるのは、そのじいさん自身でしかないことを、私はとっくに知っている。じいさん、私のことがよほど気に入らないみたいなのである。
つまり自分がしょっちゅう口にしている私に対しての感情論的悪口を、「こんなことを言ってる人もいる」なんて半ば忠告に名を借りた口ぶりで言うのである。陰口だけでは気が済まず、間接話法に名を借りて本人にまで言わないと気が済まないカラダになってしまったのだろう。言いたいことがあれば、自分の言葉として直接話法で言ってくればいいのにね。
さらに悪いことに、そんなじいさんに限って「自分は立派な善人だ」と思い込んでいるフシがあるから、これ、ほとんどビョーキである。私自身はそういうビョーキのじいさんだと知っているからテキトーに聞き流しているが、中にはある程度の地位を経た年配の人間からそんなことを言われたら、かなり気にして悩んでしまう者もいる。
無駄に気にしちゃってるのがいたらあまり気の毒だから、「あんたの悪口なんて、あのじいさん以外に誰も言ってないから、気にしなくていいよ」とぶっちゃけてあげることにしている。
このじいさんのビョーキは近頃ますます進行して、ようやく周囲にも認知され始め、まともに取り合われなくなってきた。フツーの感覚さえあれば、「このじいさん、いないところでは、俺のこともさぞかし悪く言ってるんだろうな」 とイヤでもわかるのだからしょうがない。
他人の悪口は蜜の味かもしれないが、なめすぎると毒になるってことだ。
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