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2019年3月29日

政府の南海トラフ地震対策ガイドライン

南海トラフ沿いでマグニチュード8クラスの巨大地震が発生するおそれが高まったと判断した場合に、沿岸部の一部の住民に1週間程度、避難してもらうことなどを盛り込んだガイドラインを政府がまとめたのだそうだ(参照)。

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ただ、そんなことを言ってもいろいろな疑問は晴れない。巨大地震発生のおそれが高まった場合に「避難してください」なんて言っても、現実的な説得力があるのだろうか。いや、説得力という以前にパニックになったりしないのだろうか。

「〇月〇日に巨大地震が来る」などという噂が立っても、それはデマに過ぎないからパニックに陥らないようにと言われている。日時を特定して地震発生を予測することなどできないからだ。しかし今回の政府発表では、「一週間後に巨大地震が来る」という公式情報が発せられるということになってしまう。その「公式情報」に確かな根拠はあるのだろうか。

気象庁のサイトには 「南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件」というページがあって、南海トラフ沿いに発生する巨大地震に関して何か特別なことがありそうな場合には、気象庁が何らかの情報を発表するということになっている。「本情報の運用開始に伴い、東海地震のみに着目した情報(東海地震に関連する情報)の発表は行っていません」とわざわざ断っているのだから、南海トラフ地震は特別扱いという印象だ。

さらに「およそ1週間経っても巨大地震が発生しなかった場合は、『巨大地震注意対応』に切り替え、避難は解除しつつ、さらに1週間程度は住民に日頃からの地震への備えを再確認してもらうこと」などが盛り込まれているというのだから、ビミョーな受け取り方が求められる。現実的には「逃げろ」というから逃げたのに、「1週間経っても何も起きないから戻れ」なんて言われても、気持ち悪くて帰れないよね。

私は高知県には結構知り合いが多く、今月 11日には高知県の海岸間近の地域に出張し、しかも到着してホテルに入った途端に地震が来ちゃったりしたので、この問題に関してはかなり身近な関心がある。南海トラフ地震が本当に来ちゃったら、8年前の東日本大震災以上に被害になると予想されており、その可能性は日に日に高まっているので他人事ではない。

 

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