1日 8時間労働で「ふつう」に暮らせるとは
近所の庭のフェンスに日本共産党のポスターが掲示されていて、「8時間働けばふつうに暮らせる社会へ」というスローガンが大きく書かれている。
ポスターの「8」という文字は 2つの時計のデザインになっていて、「午前 9時から午後 5時まで」というココロのようだ。ただしこれだと、昼休みが想定されてないよね。
私が現役で働いていたときは、大抵午前 9時 30分から午後 5時 30分までが就業時間となっていて、昼に 1時間の休みが想定されていたから、実働 7時間だった。私は残業が嫌いだったから、よほどのことがない限り仕事はさっさと仕上げて定時に退社していたから、「1日 7時間」働いてごく「ふつう」に暮らしていた。
日本の企業社会には定時で退社するのを遠慮するみたいな空気が蔓延しているようで、午後 5時を過ぎてもなかなか席を立とうとしない社員が多い。女性の中には 「1人メシが食えない」なんていうのが多いみたいだが、「1人退社」ができないというのは男女共通のビョーキだと思う。
一昨日の "「ホモソーシャルツリー」を育てるメンタリティ" という記事の中で、「自分の思い込みを貫き通す代償として、小声で『しんどい、しんどい』と言い続けることが許されるというのは、ちょっと歪んだ価値観」と書いたが、この「定時を過ぎても、さっさと退社できない症候群」というのも、完全にそれに当てはまる。
きちんと定職に就いているという満足感を持続させる代償として、いつまでもだらだらと会社に居続け、そして「しんどい、しんどい」と言い続けるのである。実際には決められた仕事さえ終えてしまえばさっさと帰ってもクビになんかならないのだから、ぐずぐずしている意味はない。問題があるとすれば、定時までに仕事を終えられないことである。
この原因は、当人の能力不足でどうでもいい作業にやたら時間がかかってしまうか、仕事量が多すぎるかのどちらかだ。仕事量が多すぎるのだったら、会社にかけ合って増員してもらえばいいし、それが叶わないというならさっさと転職するしかない。
「日本の企業社会はそんなに甘いものではない」と言われるかもしれないが、そんな歪んだ社会を形成しているのも、「しんどい、しんどい」と言いながら満足している労働者自身である。「そんなに甘いものではない」なんて言い続けるのも、ホモソーシャルツリーを育てるメンタリティに他ならないのだ。全体の空気が淀んでいるなら、1人ででもそこから脱出すればいい。
そんな風に考える人間が増えれば、社会も少しはまともになる。
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