「ブイはバージョンであります」 って、それがどうした?
これは、一昨日の記事の付け足しである。
5日の衆院予算委員会で桜田大臣はさかんに「ブイ予算」と口走っていた(参照)が、これ多分、お役所内だけで通じる業界用語に近いもので、国会答弁の中で安易に使うような言葉じゃない。それで蓮舫議員も「ブイ予算って何ですか」と問いただしている。
すると桜田大臣、妙に自信満々の様子で「ブイは『バージョン』であります」と言い放ってきびすを返す。すると満場、「オー」と感動。桜田大臣が「バージョン」という横文字を知っていたというだけで驚いている。
しかし「ブイ予算の『ブイ』は『バージョン』であります」と言っただけでは全然答えになっていない。「だからその『バージョン予算』とはどういう意味なのか」と改めて問い直さなければならなかったのだが、それをやるとまたしても長々と官僚のレクが必要になって時間の無駄になるだけだったろう。
蓮舫さんは 「Vをバージョンと言ったぐらいで、みんなから『おー』って言われるのはやめてくださいよ」なんて、あまり意味のないツッコミをした後、このケースの「ブイ」というのは、「V3」つまり「予算としてのバージョン 3」であると指摘している。
つまり桜田さん、(お役所内でいうところの)「V3 予算」を「ブイ予算」なんて言っていたわけで、要するに中身については何もわかっていないってことだ。
蓮舫さんとしては事前に調べてよく知っていることを、わざわざ桜田大臣に質問して恥をかかせているわけだが、惜しむらくは、世間一般に流れたニュースでは 「おー」 というどよめきが強調されただけで、「バージョン 3」であるという部分はほとんどカットされてしまっている。だから国民のほとんどは「ブイ予算」とは何のことなのかわからないままだ。
つまりニュース制作側としても、視聴者なんて「ブイは『バージョン』であります」でわかったつもりになっている大臣と同レベルなのだと、高をくくっているわけだ。本当はどういう意味なのかを国民に伝えようなんてほとんどしていない。
結果的には「桜田大臣の醜態を電波に乗せさえすればいい」という蓮舫さんの意図は実現されたわけなのだが、こんなことではなかなか悲しいものがあるよね。桜田大臣が登場するだけで、いろいろなことのレベルが一挙に下がり果てるし、周囲はそれを見世物にすることを目的とし過ぎている。
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コメント
馬鹿馬鹿しいねぇ。これがニッポンの国会だなんて、なさけなくなるよ(←うさ公、ちきうにきて何年かしらんけど、一丁前の口きくねぇ)
投稿: 地球に落ちてきたのうさぎマリオ | 2019年3月 7日 20:04
地球に落ちてきたのうさぎマリオ さん:
あまりにもボンヤリしたおっさんは、議員になるのを遠慮してもらいたいものですね。
いや、ぼんやりしていると、自分のぼんやり加減にも気付かないのかな。
投稿: tak | 2019年3月 8日 00:21
大臣候補のデッドストック(順番待ち)状態ですから、ボーッとしているオッサン(女性議員の比率からして)でも、次々と載せては降ろし(落とし?)を考え続けなきゃならない長期政権運営、たいへんだなぁ。
テレビ中継が入ると、俄然答弁者をイラつかせようと言う姿勢がミエミエの質問者集団を相手にするのだから、答弁内容も言葉を選んで当たり障りの少ない状況を維持しなきゃならなくて、たいへんだなぁ。
「こんな人たち」を選んだつもりはないのですが…。
投稿: 乙痴庵 | 2019年3月 8日 12:29
乙痴庵 さん:
おっしゃる通り、まさにデッドストック処理って感じですね ^^;)
イラつかせようという質問者と、ボロが出ない内容に終始する回答者の化かし合いも、かなり不毛ですしね。
投稿: tak | 2019年3月 8日 13:58