長崎大学が喫煙者の採用見送りを発表
長崎大学が今年度からの教職員採用で、喫煙者の採用を見送ると発表した。こうした基準は国立大学としては全国初らしい(参照)。
これについて、「差別、人権侵害、憲法違反」と批判する声も上がっているというが、私としては意に反してタバコの煙や臭いを吸わされる方がよほど人権侵害だと思っているので、「その決定、遅すぎるぐらいじゃないの?」という気がしている。
日本では既に「受動喫煙対策法」が成立しており、来年 4月から事務所や飲食店など多くの人が集まる施設は原則として屋内禁煙とし、違反者には罰則が適用される。ということは、長崎大学でも来年からは原則的に喫煙できなくなるわけだが、今回の措置は「大学内での禁煙」だけでなく、「喫煙者そのものの採用を行わない」というのだから、より徹底している。個人的には高く評価したい。
これに関しては「差別であり、人権侵害、憲法違反だ」という批判の声が上がっているという。予想された反応だ。しかし「タバコは嗜好ではなく依存症」「医療従事者を養成する大学として当然」という賛同の声もあり、 さらに大学側には健康なキャンパス生活を保障する責任(大学の安全配慮義務)があるので、今回の措置が個人の幸福追求権を保障する憲法 13条に違反するとは言えないという見方が強い。
「大学内で喫煙しなければ、自分の家などでは喫煙してもいいじゃないか」という声もあるだろうが、服などに残留した有害物質を周囲の者が吸い込む「三次喫煙(サードハンドスモーク)」の問題まで考慮すれば、徹底した措置には意味がある。実感的にも、ヤニ臭さを発散する喫煙者には近付きたくないし。
一方、来年 4月から実施される「受動喫煙対策法」にはあからさまな抜け道があり、飲食店のうち個人や中小企業が経営する客席面積が 100平方メートル以下の既存店では例外的に「喫煙可能」などと表示すれば喫煙が認められる。これは「たばこ産業や飲食業への影響に配慮する自民党内から反対論」が出たためとされている(参照)。
世の中には、そしてとくに自民党内には飲食店でタバコを吸いたい人がよほど多いと見えるが、実際には喫煙可能な飲食店は敬遠される傾向が強まると思う。例えば、喫煙者が 2人含まれる 5人グループが「飲みに行こう」となった時には、当然ながら禁煙の店を選ぶことになるからだ。
ちなみに最近の喫煙率は 30%を切っているから、5人中 2人が喫煙者ということでも多すぎるぐらいである。こうして喫煙可能な店はますますヤニ臭く雰囲気が悪くなり、喫煙者でも敬遠したくなってしまうだろう。
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コメント
ええぞええぞ!!!( ̄▽ ̄)( ̄▽ ̄)
投稿: 異星人のうさぎどん | 2019年4月24日 22:03
たばこだいきらい。たばこすってるシトとはきすしたくないわ( ̄ー ̄)
投稿: 異星人のうさぎどん | 2019年4月24日 22:45
三次喫煙まで考慮すると、同居している家族に喫煙者がいるかも問題になりそうですね。
投稿: 重箱の隅 | 2019年4月25日 02:00
「親父が喫煙者だから俺は就職できない」ですか・・・
そこまでいくと確かに気の毒ですね。
投稿: らむね | 2019年4月25日 04:29
異星人のうさぎどん さん:
タバコに関しては、このくらいの反応があってもおかしくないとは思いますが ^^;)
投稿: tak | 2019年4月25日 20:11
重箱の隅 さん:
まあ、そこまで厳密にどうこう言っても、あまり建設的なことにならないでしょうから、テキトーに端折って折り合い付けるんでしょうね (^o^)
投稿: tak | 2019年4月25日 20:13
らむね さん:
「我が子の就職のことを思ったら、タバコ止めろ」ってな風潮になるとしたら、個人的にはむしろ歓迎ですが、まあ、そうはならないでしょう (^o^)
投稿: tak | 2019年4月25日 20:15