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2019年4月26日

テロ対策が完成しない場合は原発運転停止

原子力規制委員会が原子力発電所のテロ対策施設が期限までに完成しなかった場合は、運転中の原発の停止を命じる方針を決めたと報じられている(参照)。当然の話で、さらに言えばそのままずっと停止してもらいたいぐらいのものだ。

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世界は原発停止の方向に進んでいる。「いや、そうじゃない」という見方も結構あるが、最新の状況をみれば脱原発で新たな電力供給源を確保するという流れにあるとみるのが自然だ(参照)。それでも日本の原子力業界は過去の流れに固執し、原発輸出さえ行いたい意向のようだが、それは失敗し始めている。諦めるなら今のうちだ。

世界の潮流を見定められず、自社の技術や製品に固執して大きな失敗をしてしまった例は最近の日本ではかなり多く、その最大のものはシャープの液晶技術だろう。一時は「世界の亀山モデル」などともてはやされたが、今ではテレビ画面の主流は有機ELにとって代わり、シャープは凋落してしまった。

その他、IT 業界でも日本の技術的立ち後れが目立つ。その原因の中でも大きなものが、日本のもの作り業界のエコに関する理解不足だ(参照)。

低コスト製品の供給で「追いつき追い越せ」を旗印に無理矢理の生産を行う途上国を別とすれば、今や先進国のもの作りは環境対策と無縁には語れない。この面において、日本では経営トップの意識の遅れが目立つ。原発輸出の相手国となる途上国でさえ、環境の観点から原発を見直す動きとなりつつあるのに、それが見極められていない。

このまま原発に固執し続けたら将来に大きなツケを残すことが確実で、それを考慮すれば「原発は低コスト」などということは決して言えない。むしろ永遠に処理費用が計上されてしまう「割高な発電」ということになる。

某巨大原発関連企業や東海村なんてもののある茨城県在住の私は、大きな声じゃ言えないが、知り合いにも原発関係者がいたりする。彼らはちょっと前までは意気軒昂だったが、最近、とくに東日本大震災以後はあまり大きなことは言わなくなってしまっている。

各地の原発でトラブルが発生する度に、彼らが何週間も緊急出張して現場に張り付かざるを得なかったなんてことを知っているだけに、私は実感としても「原発は安全」なんて寝言みたいなものと思っている。最近は稼働原発自体が減っているので、彼らの必死の長期出張も減っているが、稼働し続けていたらますます増えているだろう。

原発というシステムが時代遅れのものとなりつつあるのは、他ならぬ原発の現場関係者自身が身を以て薄々認識し始めていることかもしれない。というわけでテロ対策という視点からのみならず、古くなった原発はできるだけ早く停止するに越したことはないと思っている。

 

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コメント

原発をやめてしまうと、日本に原子力関係の技術者がいなくなり(技術の継承が出来なくなり)、いざというときに例のアレを開発できなくなる(大幅に時間がかかる)からじゃないかと、私は勘ぐっています。

投稿: らむね | 2019年4月27日 20:49

らむね さん:

端から見た印象ですが、原発関連の問題では定年過ぎの連中も時々かり出されているようで、既に技術継承はしにくくなっているようです。

こんな状態で稼働原発を増やしたら、危なくてしょうがないと思っています。

例のアレは、どうせ使わないんだから持たなくていいんですが、いずれにしても原発の後始末だけはしてもらいたいですね。

投稿: tak | 2019年4月27日 21:12

作るのに、維持することに、壊すのに、無限のゼニとヒトを頼りに。

破綻していること明白なのに、なんでまだやりたがる人たち多いんでしょうかねぇ。

「まだ大きな需要がある」と言うなら、最大需要地に近くて送電ロスの少ない東京湾に、5・6基作ったら良いのに。
なあ!推進派はだ〜れも反対しないよなぁ!

投稿: 乙痴庵 | 2019年4月29日 13:01

乙痴庵 さん:

>最大需要地に近くて送電ロスの少ない東京湾に、5・6基作ったら良いのに。

まさに (^o^)

投稿: tak | 2019年4月29日 22:02

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